「プールサイド小景」は芥川賞受賞作。
【送料無料】プールサイド小景/静物改版 [ 庄野潤三 ] |
「舞踏」
結婚五年目の夫婦。三歳の娘がいる。
夫は市役所勤務だが、同じ職場で19歳の女性と不倫している。
妻は孤独に耐えかね、怪しげなアルコールを飲む。
自殺未遂だ。
7月4日の巴里祭に合わせ、妻はご馳走を作る。
そして夫婦で踊る。
庄野のデビュー作。
夫婦の心情を細かに描く才能はさすが。
「プールサイド小景」
青木は子どもを連れて学校のプールへ行く。
知り合いの水泳部コーチは「生活らしい生活」だと感じる。
しかし青木は会社の金を使い込んでクビになっていた。
もちろん、子どもには話していない。
この作品は沢木耕太郎が選んだアンソロジー、「右か、左か」に収録されている。
他の人から見る場合と、実際のギャップがある点がこの話の核になっている。
「相客」
戦争から戻ってきた兄。
戦犯の疑いをかけられる。
「五人の男」
文字通り、五人の男たちを描く。
何か共通点はあるのかと思いつつ読んだ。
「イタリア風」
矢口夫妻はニューヨーク郊外のアンジェリーニ宅を訪れる。
単なる描写で「だからどうした」と言いたくなる。
「蟹」
絵描きの来る宿に泊まった数組の家族。
この作品は消化不良。私の理解力が不足しているのか。
「静物」
子どもと釣堀に行き、金魚を持って帰ってきた。
この金魚を描くことで、物語に奥行きを持たせる効果を狙ったのか。
***** **** ***** ****
庄野潤三は「第三の新人」のうちのひとり。
他には安岡章太郎や吉行淳之介、遠藤周作がいる。
緻密だが、「相客」以降の作品はやや物足りなさが残る。
実験的な習作という気さえする。
***********************
関連記事
プールサイド小景・静物/庄野潤三
『プールサイド小景・静物』 庄野潤三
プールサイド小景 (庄野潤三)
***********************
*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。
【関連する記事】

