2013年05月10日

「プールサイド小景/静物」庄野潤三

密度の濃い作品集。
「プールサイド小景」は芥川賞受賞作。
   

「舞踏」

結婚五年目の夫婦。三歳の娘がいる。
夫は市役所勤務だが、同じ職場で19歳の女性と不倫している。

妻は孤独に耐えかね、怪しげなアルコールを飲む。
自殺未遂だ。

7月4日の巴里祭に合わせ、妻はご馳走を作る。
そして夫婦で踊る。

庄野のデビュー作。
夫婦の心情を細かに描く才能はさすが。

「プールサイド小景」

青木は子どもを連れて学校のプールへ行く。
知り合いの水泳部コーチは「生活らしい生活」だと感じる。

しかし青木は会社の金を使い込んでクビになっていた。
もちろん、子どもには話していない。

この作品は沢木耕太郎が選んだアンソロジー、「右か、左か」に収録されている。
他の人から見る場合と、実際のギャップがある点がこの話の核になっている。

「相客」

戦争から戻ってきた兄。
戦犯の疑いをかけられる。

「五人の男」

文字通り、五人の男たちを描く。
何か共通点はあるのかと思いつつ読んだ。

「イタリア風」

矢口夫妻はニューヨーク郊外のアンジェリーニ宅を訪れる。
単なる描写で「だからどうした」と言いたくなる。

「蟹」

絵描きの来る宿に泊まった数組の家族。
この作品は消化不良。私の理解力が不足しているのか。

「静物」

子どもと釣堀に行き、金魚を持って帰ってきた。
この金魚を描くことで、物語に奥行きを持たせる効果を狙ったのか。

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庄野潤三は「第三の新人」のうちのひとり。
他には安岡章太郎や吉行淳之介、遠藤周作がいる。

緻密だが、「相客」以降の作品はやや物足りなさが残る。
実験的な習作という気さえする。

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posted by りゅうちゃんミストラル at 14:27| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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