平成19年に生きる男が、昭和46年の夏を回想する。ノスタルジーあふれる作品。
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【平成19年】
40代の広告代理店勤務の小木が、大阪への勤務を言い渡される。
小5の息子は中学受験のため塾通い。
小木は、息子に自分が小学生だった時のことを話して聞かせる。
それは、ひと夏の大冒険だった。
【昭和46年】
文ちゃん、つーちゃん、雄ちゃんの3人組で不発弾を見つけようとする。
東京から来た高井は何でもできる優等生。
だが文ちゃんたちはお高くとまっている彼のことが気に入らない。
成り行きから高井も仲間に入る。
母親の言いなりになっていた高井は、実は3人組のことがうらやましかった。
息子である文ちゃんは、父親の気持ちを考える。
その父親は、息子に対して不器用な態度しかできない。よくできたドラマ。
池跳びは、「飛ぶ教室」(ケストナー)を思い出した。
もちろん臆病者のウリーが、高い所から飛び降りる場面。
日登美が結婚したのは雄ちゃんだった。これは読んでいて予想できた。
深読みした私は、文ちゃんが日登美と一時つきあうかとも考えた。
同じく不発弾についても深読みした。
見つかったと思ったら実は小判だったとか、金持ちの裏金で別の騒動になるとか。
(深読みしすぎ?)
あとがきで森自身が書いているように、これは森版の「スタンドバイミー」。
探すのが死体か不発弾かの違い。
話に出てきた懐かしい映像をいくつか紹介。
「俺たちの旅」オープニング
「俺は男だ」
まさか、海岸で竹刀を振っていた男が千葉県知事になるとは。
マンダムのCM(チャールズブロンソン)。
「キイハンター」オープニング。
あたり前田のクラッカー
これが、昭和55年ならはっきり記憶に残っているんだけど。
中学生くらいだと、父親より上の年代に訊いてみた方がいいかも。
逆に、この本を読むことでで家族の会話のきっかけとなれば。
二度楽しめる作品ということになる。
読書のページ(書評)
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