思い切った提言を行っている。
![]() 【送料無料】夜回り先生いじめを断つ [ 水谷修 ] |
大津市のいじめ自殺が記憶に新しい。
水谷氏はまず、いじめの定義について不明確だと語る。
では何故いじめがなくならないか。
人権擁護局への通報をしないからだと水谷氏は述べる。
私は人権擁護局についての知識がないので賛成も反対もしない。
ただ、恐喝など警察に通報するのは大いに賛成。
定時制高校で起きた50万円恐喝事件は酷いケース。
警察の介入に対して、同僚教師が批判したのは私も理解できない。
学校に警察を入れることを躊躇することで「聖域化」すれば。
事件を解決できないばかりか、今後に悪影響を残す。
さらに、ゆとり教育の失敗。責任を取らない教員を批判する。
「目力」のない子、自分で考えない子どもについても語る。
「人を嫌う権利」については、書きにくいことをよく書いた。
批判はあるだろうが、学校教育を語る上で避けては通れない。
平成21年のデータで、不登校の小中学生は12万2400人いたという。
こうした子たちは、「自殺予備軍」でもある。
07年カナダで起きたいじめ撲滅運動「ピンクシャツデー」は知らなかった。
こんな記事が検索で見つかる。
ピンクのシャツ着ていじめをなくそう!
カナダ発、いじめストップ!運動「ピンクシャツデー」
日本にも、同様の運動が必要。
この本を読んで、そう感じた人は多いはず。
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私は何度か水谷氏の講演を聴いたことがある。
会場はいつも満員だった。
母親が来ている会場で、彼はこう問いかける。
子どもを「ほめる」のと「しかる」回数は、どちらが多いか。
多くの家庭で、「しかる」(または「けなす」)ほうが多いのではないか。
父親は、家で上司や同僚の愚痴をこぼす。
そして母親に、「どうしてお前はこんなまずい食事しか作れないんだ!」と言い放つ。
母親は子どもに、「どうしてお前はこんな点数しか取れないんだ!」と言い放つ。
そうした中で、子どもはまっすぐに育つだろうか?
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大阪市で起きた、桜宮高校での体罰自殺事件。
水谷氏なら、どう提言するか。
追記
もし、いじめ被害を受けた場合。
私は「逃げていい」「学校に行かなくていい」と述べてきた。
水谷氏はこうした意見をこの本で無責任と批判。
「怒りすら覚えます」(P128)と述べている。戦えということだ。
彼は多くの事例を経験した上で結論を出している。
その意味では尊重すべき。
だがその反面、「自分で考えない」という点も述べている。
「〇〇が本で書いていた」を鵜呑みにしない姿勢は大切。
一時的に緊急避難する「逃げ」は必要なのではないか。
この件は、継続して考えたい。
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