テーマ競作「死様」のひとつ。
【送料無料】海路 [ 藤岡陽子 ] |
老いた医師、月島が開いている診療所。
そこで看護師をしている志木は43歳。
3月で診療所を閉めるという月島。
若い事務員の水鳥と共に、身の振り方を考えなければならない。
ある朝、月島が出勤してこない。
診療所の2階にある住居にもいない。
月島は大学の先輩がいる、渡嘉敷島の診療所へ行っていた。
タクシー運転手や郵便物からそのことを知った志木は沖縄へ飛ぶ。
フェリーに乗り換え、やっと渡嘉敷島へ着く。
月島と会えたが、彼は代わりの医師が見つかるまで島に残るという。
***** ***** ***** *****
文字が大きく、ページ数も少ないのですぐ読める。
「明日は思うほど悪い日じゃない」という月島の言葉が印象的。
かつて志木が一緒に住んでいた誠一。
月島は彼のことを「ジガバチのよう」と表現。
その誠一を、ハローワークで見かけた志木。
彼は、別の女に食べさせてもらっているようだった。
そんな月島も、汚職事件のスケープコートにされ大学を出た苦い経験がある。
しかも、妻と離婚し息子とも会えない。
マイナス部分があるからこそ、人は成長できるのだろう。
人生の残り時間が見えた月島。
人はその時、どんな選択をするのか。
作者の藤岡は看護師経験がある。
次に彼女の作品を読むとしたら、同じく看護師が出てくるこの作品か。
【送料無料】いつまでも白い羽根 [ 藤岡陽子 ] |
この競作シリーズ、「誰にも書ける一冊の本」荻原浩」(荻原浩)をすでに読んだ。
機会があれば、他の作品も読みたい。
読書のページ(書評)
***********************
関連記事
藤岡陽子著「海路」
〜 海路 〜 藤岡 陽子
「海路」 藤岡陽子[著]
***********************
*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。
【関連する記事】

