2013年03月21日

「今ここにいるぼくらは」川端裕人

小学生時代を描いた連作短編集。
遠い昔を思い出した読者も多かったのではないか。
   

「ムルチと、川を遡る」

博司が小学1年生の時の話。
川の始まりを見る冒険に出たムルチ、サル、ブンの5年生3人。
博司もつれていってもらうことに。

映画「スタンドバイミー」を思い出した。ヒルに喰われるのも同じ。
少年時代、私も川の源流を見たいと自転車で遡ったことがある。
みんな似たようなことしていたんだろうなあ。

「サンペイ君、夢を語る」

5年生の時の話。
同じクラスのサンペイ君はいつも鼻水をたらしている。

しかも、ほら吹きだとのウワサがある。
昼休み、いつも池に行きヌシを釣ると言っていたサンペイ。
ついにヌシを釣り上げる。

「オオカミ山、死を食べる虫をみる」

博司、、4年生の時の話。
オオカミ山でクワガタを取りに行く博司。妹もついてきてしまう。

山で出会ったオニバは、夫(故人)がクワガタを育てていた。
大型犬のルークも一緒。だがルークはマムシの毒で死んでしまう。

博司たちが両親の実家に行っている間。
さらに悲しい出来事が起きて・・・

最近は、シデムシを見かけることもほとんどなくなった。
もし山などで見かけたら、このエピソードを思い出すかもしれない。

「川に浮かぶ、星空に口笛を吹く」

6年生の時のエピソード。
UFOと宇宙人の話題が盛り上がっているハカセのクラス。

タッキーの家はアパート経営していて、住人のコイケさんが宇宙人だという話に。
調査委員会を組織し、コイケさん監視を始める。

「影法師の長さが、すこし違う」

3年生の時、博司は関西から転校してきた。
影の長さが変わったことで孤独を感じる。

クラスでは関西弁をからかわれたことで話さなくなる。
担任の先生は泣いてばかりで頼りにならない。

ある日学校をサボっていたところ、バイクに乗った男と出会う。
彼は、学校に行かないことを「いいこと」と言い放つ。

学校に行きたくない日曜日の夜。
「サザエさん」の音楽が流れるのが嫌だと感じる、その気持ちはよくわかる。

「山田さん、タイガー通りを行く」

転校してきた山田さんは帰国子女。
小林さんと意気投合し、学童保育所に通う。

ところがこの児童保育所、経営の危機。
山田、小林コンビは存続のため署名集めを訴える。

ここで反発するのがサンペイ。
彼が、転校ばかりしている山田さんに反発する気持ちもよく理解できる。
自分が持っていないものを「よそ者」が持っていると面白くないもの。

ドラマがてんこ盛りのこのエピソードが一番好き。
山田さんと友達になりたい。ふたりに好かれるハカセは幸せ者。
ところで性的な表現を女性読者はどう感じただろうか。

「王子様が還り、自由の旗を掲げる」

卒業が近い6年生の博司。
謝恩文化祭を開くことになった。

ちょうどその時、サンペイのおじさんが帰って来る。
文化祭を手伝うと宣言するおじさん。私は大麻解禁には反対だ。

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初めて読む作家だが、新鮮だった。
重松清や石田衣良も似たような作品を描く。

しかし切り口、表現が違う。
この作家、別の作品も読んでみたい。

 読書のページ(書評)

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