遠い昔を思い出した読者も多かったのではないか。
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「ムルチと、川を遡る」
博司が小学1年生の時の話。
川の始まりを見る冒険に出たムルチ、サル、ブンの5年生3人。
博司もつれていってもらうことに。
映画「スタンドバイミー」を思い出した。ヒルに喰われるのも同じ。
少年時代、私も川の源流を見たいと自転車で遡ったことがある。
みんな似たようなことしていたんだろうなあ。
「サンペイ君、夢を語る」
5年生の時の話。
同じクラスのサンペイ君はいつも鼻水をたらしている。
しかも、ほら吹きだとのウワサがある。
昼休み、いつも池に行きヌシを釣ると言っていたサンペイ。
ついにヌシを釣り上げる。
「オオカミ山、死を食べる虫をみる」
博司、、4年生の時の話。
オオカミ山でクワガタを取りに行く博司。妹もついてきてしまう。
山で出会ったオニバは、夫(故人)がクワガタを育てていた。
大型犬のルークも一緒。だがルークはマムシの毒で死んでしまう。
博司たちが両親の実家に行っている間。
さらに悲しい出来事が起きて・・・
最近は、シデムシを見かけることもほとんどなくなった。
もし山などで見かけたら、このエピソードを思い出すかもしれない。
「川に浮かぶ、星空に口笛を吹く」
6年生の時のエピソード。
UFOと宇宙人の話題が盛り上がっているハカセのクラス。
タッキーの家はアパート経営していて、住人のコイケさんが宇宙人だという話に。
調査委員会を組織し、コイケさん監視を始める。
「影法師の長さが、すこし違う」
3年生の時、博司は関西から転校してきた。
影の長さが変わったことで孤独を感じる。
クラスでは関西弁をからかわれたことで話さなくなる。
担任の先生は泣いてばかりで頼りにならない。
ある日学校をサボっていたところ、バイクに乗った男と出会う。
彼は、学校に行かないことを「いいこと」と言い放つ。
学校に行きたくない日曜日の夜。
「サザエさん」の音楽が流れるのが嫌だと感じる、その気持ちはよくわかる。
「山田さん、タイガー通りを行く」
転校してきた山田さんは帰国子女。
小林さんと意気投合し、学童保育所に通う。
ところがこの児童保育所、経営の危機。
山田、小林コンビは存続のため署名集めを訴える。
ここで反発するのがサンペイ。
彼が、転校ばかりしている山田さんに反発する気持ちもよく理解できる。
自分が持っていないものを「よそ者」が持っていると面白くないもの。
ドラマがてんこ盛りのこのエピソードが一番好き。
山田さんと友達になりたい。ふたりに好かれるハカセは幸せ者。
ところで性的な表現を女性読者はどう感じただろうか。
「王子様が還り、自由の旗を掲げる」
卒業が近い6年生の博司。
謝恩文化祭を開くことになった。
ちょうどその時、サンペイのおじさんが帰って来る。
文化祭を手伝うと宣言するおじさん。私は大麻解禁には反対だ。
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初めて読む作家だが、新鮮だった。
重松清や石田衣良も似たような作品を描く。
しかし切り口、表現が違う。
この作家、別の作品も読んでみたい。
読書のページ(書評)
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