ビル清掃をするキリコが謎を解明する短編集。ネタばれあり。
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主人公は新入社員の大介。
会社のビルを1人で掃除しているキリコと出会う。
キリコはまだ10代で、なかなかのお洒落。
何より鋭い勘の持ち主。
「オペレータールームの怪」
大介の書類がなくなる。
先輩が残業して事なきを得るが、再び同じような出来事が起きる。
犯人は誰か。どうしてシュレッダーを使わなかったのか。
キリコが謎を解く。
「ピクルスが見ていた」
会社に出入りしていた保険のおばちゃんが転落死する。
誰かに突き落とされたらしい。
誰が殺したのか。社内で何があったのか。
真実は意外なところに隠されていた。
「心のしまい場所」
同僚の結婚式。
何故か引き出物がキャンセルされていた。
怪しげな商法が会社内にはびこる。
「ダイエット狂想曲」
会社近くに出来たクッキーの美味しい店のせいで、みんなで体重増加。
そこでダイエットをすることに。
「ロッカールームのひよこ」
ビルの中に何故かヒヨコがいた。
セクハラで知られる上司との関係は。
「桃色のパンダ」
課長が娘のために用意した桃色パンダのぬいぐるみ。
誰かによって引き裂かれていた。
「シンデレラ」
何者かにより、トイレがインクで汚される事件が起きた。
キリコは掃除するが、またしても汚される。
「史上最悪のヒーロー」
大介は結婚した。
奥さんに、祖母の介護を任せたことを重荷に感じていた。
このエピソードはミステリーしている。
介護の問題は切実だ。でも読者はそう簡単に騙されないよ。
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あとがきによると、近藤は作家の収入が少なかった時代に清掃業をしていたそうだ。
なるほど、実体験から出た作品だったわけ。
「トイレの使い方を見れば、その会社の実情がわかる」
以前観た映画、「釣りバカ日誌」でそういう場面があった。
キリコはまさに会社を別の視点から見ている。
正直、ミステリーとしては稚拙。
だが作家としての原点がよくわかる。
解説は新井素子。
久しぶりに彼女の文章を読んだ。
この本、シリーズになっている。
次はこれ。
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