この事件の裏には何があるのか。誰が味方なのか。
【送料無料】境遇 [ 湊かなえ ] |
湊かなえといえば「告白」で知られる。
09年の本屋大賞で、モノローグの連続による作品の反響は大きかった。
その後も「少女」や「贖罪」など、人の間にあるドロドロした心情を描き出した。
最近では、「夜行観覧車」や「往復書簡」を出している。
今回の「境遇」では、二人の女性が登場する。
主婦の陽子と新聞記者の晴美。二人とも親が誰か知らず、幼い日を施設で育った。
ある日、陽子の5歳になる息子がスイムスクールの後、行方不明になる。
義母や女性秘書も一緒ではない。息子はどこに消えたのか。
そしてFAXを使った脅迫状が選挙事務所に届く。
過去の事件もあり、警察には知らせないことを決める。
陽子の夫は韓国へ出張中。
新聞記者の晴美に相談する陽子。
はっきり言って失敗作。
湊は「アクロイド殺し」(クリスティー)のような「だまされた!」と読者に感じてほしかったのか。
それとも「氷点」(三浦綾子)のようなドラマにしたかった?
結末は簡単に読めたし、誘拐が必要だったとも思えない。
ひとつの事件を複数の人物から見て話が進む。
この手法は読者からすでに飽きられていないか?
追記
この作品、ドラマ用に書き下ろされたらしい。
「ドラマだから安易でいい」ということはないだろう。
けれど、後半部分は特に描写ではなく説明になってしまっていた。
下手な小説の典型だ。これでいいのか湊かなえ?
少なくともこの作品に1470円の価値はない。
図書館で借りて読めば十分。出版不況を象徴するような作品だ。
読書のページ(書評)
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