2013年03月02日

「サウスバウンド」奥田英朗

元過激派の父を持つ小学生から見た波乱万丈の物語。
06年の本屋大賞2位。大賞は「東京タワー」(リリー・フランキー)。
   

奥田の作品は、今まで2冊読んでいる。
イン・ザ・プール」と「空中ブランコ」だ。

彼の作品はとにかく読みやすい。
この作品など、小学生でも読めそうだ。

二郎の家は変わっていた。
父親がとにかく反抗的でいつも家にいる。

年金の支払いも拒否。
二郎と妹の桃子にも学校へ行かなくていいと言い放つ。

さらには家庭訪問に来た南先生と議論したがる。
(大学を出て2年の教諭が6年生の担任になることは考えにくい)

天皇制や修学旅行について大上段に構え批判する親はどれだけいるのか。
この父は一応、作家ということになっているが、母が経営する喫茶店で生活している。

ところが、二郎の家に居候していた過激派のアキラおじさんが人を殺してしまう。
父も暴れて大家から出て行くよう言われる。

この際、アキラおじさんは二郎を殺人事件に巻き込んで心が痛まなかったのか。
二郎自身もトラウマにならなかったのか。とても気になる。

***** ***** ***** *****

下巻では、姉を除く家族が西表島で新しい生活を始める。
しかしここでも波乱が待っていた。
   

父親が英雄の子孫(実際は怪しい)ということで、島では歓迎される。
電気はないが、食べ物は住民が持ってきてくれる。

このあたりは南北の違いこそあるがドラマ「北の国から」のよう。
実際、五郎がドトと呼ばれる男(唐十郎)と「結」の話をする。
そんなドラマの場面を思い出した。

だが二郎の一家が住んでいる土地は、リゾートホテル建設予定地。
元過激派の父は、開発業者と地元議員に真っ向から対決する。

不倫していた姉も島に来て、精神が開放されたように振舞う。
放浪していたカナダ人も父と行動を共にする。そして大爆発。

***** ***** ***** *****

確かに面白い。軽いテンポで読者を飽きさせない。
二郎が母の実家でご馳走を急いで食べ、その後ゲロを吐く場面は大笑い。

日ごろ疑問に感じていることを口に出してしまう父親。
彼を批判するのは簡単なこと。

だが、批判した人はどんな生き方をしているのだろう。
まさか「批判のための批判」で終わりなのか。

以前から本屋大賞は単純なストーリーが上位に来る。
答えをすぐに求める読者に迎合しすぎではないか。

「本屋が売りたい本」ではなく「本屋が売りやすい本」を選んでないか。
これからもこの路線は継続するのか。素朴な疑問だ。

 読書のページ(書評)

***********************
関連記事

「サウスバウンド」奥田英朗  

「サウス・バウンド」感想 奥田英朗

「サウスバウンド」奥田英朗

***********************

*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。 
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。


posted by りゅうちゃんミストラル at 06:45| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/319750294
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。