2013年03月04日

「この国で起きている本当のこと」辛坊治郎

年金に原発など、日本の重要な問題を解説。
私の知らないことが多くて、一部を除き興味深く読めた。
   

年金については、すでに破綻していることを認め話をしなければならない。
この点に関しては私も賛成だ。

1942年、年金は積立だった。
それが戦費や、悪名高いグリーンピアに使われた歴史がある。

厚生年金積立金は、2033年には枯渇するという。
(これは、学習院大鈴木亘教授の試算による)

「100年安心」とか言ってごまかすから話が進まない。
破綻確実が出発点であれば危機感もまったく違う。
国会議員はどうしてこんな簡単なことに気がつかないのだろう。

次は福島原発事故について。
著者が太陽光発電について詳しいのは驚き。何しろ自宅で実践している。

ところがここからがいけない。
福島原発での爆発を防ぐため、オウム事件で有罪となった人が空気弁を開くという話。

オウム実行犯などが自ら申し出た場合は「決死隊」になるのか。
辛坊氏はこの点について言及している。

多くの人が知っているように、福島原発では地震と津波の後電源が失われた。
その結果空気弁は手動でなければ開けられない状況となった。

そこで、サリンなどオウムの受刑者(死刑確定者の場合は死刑囚)が申し出た場合。
彼らを作業員として使うかどうかということが述べられている。

たとえサリン事件で多くの人を殺傷した場合でも、死刑囚は「決死隊要員」ではない。
彼らは法律の定めに従って、死刑を待つことが必要だ。

辛坊氏の言うことは、刑罰というものの根幹を揺るがす。
彼は刑罰のイロハを知らないのだろうか。

オウム事件の犯罪者を「決死隊要員」として使うのは「2ちゃんねる」冗談レベルの話。
「知識人」である辛坊氏がこうしたことを本で述べることは、常識を疑われる。

もし、空気弁を開けることで1万人単位で人が救われるのであれば。
その作業は死を覚悟の上私が行いたい。死刑囚を使うよりよっぽど理にかなっている。


橋下大阪市長に関する部分はさすがによく知っている。
何しろ辛坊氏自身が候補者として狙われたのだから。

その他、TPPや農業。北方領土や北朝鮮について述べている。
本書の内容がどの程度まで正しいのか。私にはすべてを検証する時間はない。

だが、この手の本は読んでみる価値はある。
とても刺激になった。

オウム決死隊の記述がなければもっと高く評価できたのに。
とても残念。

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読売テレビ出身の著者が週刊朝日に書くというのがまず新鮮。
新聞記事も読売に批判的だったりする。この点は評価しよう。

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posted by りゅうちゃんミストラル at 06:41| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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