2013年01月28日

「あのとき始まったことのすべて」中村航

25歳が中学時代を思い出す。そして今につながる。
中村ワールドの奥深さを見た作品。
   

僕らは今を生きるしかないということだ。
(本文から引用)

100回泣くこと」で知られる中村航。
だが、私はこちらのほうを高く評価したい。

技術営業の岡田は中学の時、同じクラスでいいコンビだった石井さんと東京で再会。
待ち合わせの場所は有楽町マリオン。

ニュートーキョーは私も利用したことがある。
「かみかつ」は懐かしい。

昔話に花が咲く二人。意気投合して岡田のアパートへ。
ところが石井は任地が大阪。長距離恋愛はできないと話す。

ここから現在と中学生時代がクロスし、物語は立体的な奥行きを見せる。
この作品、キーマンは白原さん。

目立たなかった中学時代だが、岡田や石井の会話をよく記憶している。
小学校時代のイジメが新幹線で号泣した背景にあるのもよくできている。

写真を封印したのも彼女。
話を成り立たせるためにも、彼女の存在は欠かせない。

難病の少女は出てこない。誰も死なない。
それでも奇跡を表現できるこの作家は非凡だ。
白原母娘の会話など、男の作家としてはよくできている。

ただ、柳の彼女が誰かは読者にバレバレ。
驚いたのは岡田だけだろう。

岡田の先輩、門前もいいキャラクター。
物語の上でも効果的なアクセントになっている。

何気なく手にしたこの本を読んでよかった。
素直にそう思える内容だった。

宮尾和孝のイラストも中村作品の定番。
この先も、このコンビが何を見せてくれるか楽しみ。

***** ***** ***** *****

理系の作者らしく、バタフライエフェクトジョルダーノ・ブルーノが出てくる。
ハマグリが410歳なのは驚いた。

バタフライエフェクトが背景にある作品といえば。
フィッシュストーリー」(伊坂幸太郎)を思い出す。

ブルーノについては「星を継ぐもの」(J・P・ホーガン)の記事でも触れた。
地動説を唱えたことが、当時のキリスト教幹部たちの逆鱗に触れ火炙りとなった。

今でも月面のクレーターには彼の名前が残されている。
キリスト教がいかに誤ったことをしたか、信者は月を見る度に思い出すべきだ。
(ブルーノの名前を知らない信者が多いことには驚くばかり)

読書のページ(書評)

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あのとき始まったことのすべて〜中村航〜

「あのとき始まったことのすべて」中村航

中村航『あのとき始まったことのすべて』

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