1995年坊っちゃん文学賞受賞作。
【送料無料】がんばっていきまっしょい [ 敷村良子 ] |
不合格だと思っていた東高校に合格した悦子。
男子部員のみのボート部で女性チームを結成しようと奮闘する。
何とか人数を集めるものの、レースで完敗。
他校から「お嬢さんクルー」と言われる始末。
奮起した彼女たちは、卒業生をコーチとして招く。
だが「あんたら本気でやってるん?」とため息をこぼすコーチ。
どうしても、ビリから脱出したい。
念願は果たしてかなうのか。
女性作家らしく、生理が競技に与える影響などが描かれる。
恋愛模様ももちろんある。
文章は「た止め」で短く、とても読みやすい。
「バッテリー」(あさのあつこ)同様、散漫で稚拙だが、胸を打つ部分は多い。
「一瞬の風になれ」(佐藤多佳子)、「ボックス!」(百田尚樹)を思い出した。
「風が強く吹いている」(三浦しをん)や「DIVE!!」(森絵都)も連想させる。
読んでいて感じたのが、選択と可能性。
もし悦子が特待生として私立高校に入っていたら。
この話は成り立たず、仲間たちとも出会えなかった。
自分で運命を選択できることは、とても幸せなこと。
私が読んだのは文庫版。
オールを持った女性がキリリとしてカッコイイ。
赤いオールとハチマキも鮮やか。ロゴも力強い。
話題になった作品なのに、今読んだのが不思議なくらい。
舞台となった愛媛県立松山東高等学校は実在。
タイトルの「がんばっていきまっしょい」も実際に使われているそうだ。
食事の前の垂示も本物そのままなんだろうか。ブタ神様は実在した?
作者のモデルは、バウの市原さんだそうだ。
多くの人が知っているように、この作品はドラマ化そして、映画化された。
映画版の主演は田中麗奈。
「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」はこのチームから出来た。
特殊な能力があるわけではない。競技経験もない。
それでも等身大の彼女たちは悩み、苦しみつつ先に進む。
今後、ボート競技を見る目は大きく変わる。
今日も、高校生たちは練習に明け暮れている。
彼らのイージーオールはまだ先だ。
瑞々しいはこういうことだ
読書のページ(書評)
***********************
関連記事
「がんばっていきまっしょい」 敷村良子
「がんばっていきまっしょい」敷村良子
「がんばっていきまっしょい」敷村良子
がんばっていきまっしょい (敷村良子)
***********************
*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。
【関連する記事】

