2013年02月03日

「がんばっていきまっしょい」敷村良子

松山にある進学校でボート競技に打ち込む悦子たち。
1995年坊っちゃん文学賞受賞作。
   

不合格だと思っていた東高校に合格した悦子。
男子部員のみのボート部で女性チームを結成しようと奮闘する。

何とか人数を集めるものの、レースで完敗。
他校から「お嬢さんクルー」と言われる始末。

奮起した彼女たちは、卒業生をコーチとして招く。
だが「あんたら本気でやってるん?」とため息をこぼすコーチ。

どうしても、ビリから脱出したい。
念願は果たしてかなうのか。

女性作家らしく、生理が競技に与える影響などが描かれる。
恋愛模様ももちろんある。

文章は「た止め」で短く、とても読みやすい。
「バッテリー」(あさのあつこ)同様、散漫で稚拙だが、胸を打つ部分は多い。

一瞬の風になれ」(佐藤多佳子)、「ボックス!」(百田尚樹)を思い出した。
風が強く吹いている」(三浦しをん)や「DIVE!!」(森絵都)も連想させる。

読んでいて感じたのが、選択と可能性。
もし悦子が特待生として私立高校に入っていたら。

この話は成り立たず、仲間たちとも出会えなかった。
自分で運命を選択できることは、とても幸せなこと。

私が読んだのは文庫版。
オールを持った女性がキリリとしてカッコイイ。

赤いオールとハチマキも鮮やか。ロゴも力強い。
話題になった作品なのに、今読んだのが不思議なくらい。

舞台となった愛媛県立松山東高等学校は実在。
タイトルの「がんばっていきまっしょい」も実際に使われているそうだ。

食事の前の垂示も本物そのままなんだろうか。ブタ神様は実在した?
作者のモデルは、バウの市原さんだそうだ。

多くの人が知っているように、この作品はドラマ化そして、映画化された。
映画版の主演は田中麗奈。
「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」はこのチームから出来た。

特殊な能力があるわけではない。競技経験もない。
それでも等身大の彼女たちは悩み、苦しみつつ先に進む。

今後、ボート競技を見る目は大きく変わる。
今日も、高校生たちは練習に明け暮れている。
彼らのイージーオールはまだ先だ。

瑞々しいはこういうことだ

 読書のページ(書評)

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posted by りゅうちゃんミストラル at 07:32| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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