2012年12月19日

「きみが見つける物語」角田光代、森絵都ほか

女性作家が描く10代の物語。
まさに玉石混交。
   

「世界の果ての先」角田光代

はるなは幼馴染のユキオと結婚すると決めていた。
中学に入り、父とユキオ母が駆け落ちする。

大人たちがゴタゴタしている間、はるなとユキオは電車で西に向かう。
中学生にとって、静岡は世界の果て。こうした思い出は、忘れないもの。

アンソロジーは、最初に誰を持ってくるかが大切。
短編が面白い実力者の角田はトップにふさわしい。

「薄桃色の一瞬に」あさのあつこ

藍子と絵美は仲良し。
水着を買いに行ったり絵のモデルになったりする。

10代を描くことでは「バッテリー」など定評があるあさの。
この話も稚拙だし不完全さが目立つ。

「電話かかってこないかな」笹生陽子

オタクの元同級生に、2万円でデートをしないかと誘われる。
無料で東京へ行くことができることから、誘いに応じる主人公。

初めて読む作家だが、盛り上がりが今ひとつだった。
これって習作なのか、それとも作品の一部なのか。

「赤土を暴走」魚住直子

デブの中学生、霧子は学校でいじめられる。
その反面、飢えた子供たちのため募金をする。

いじめられた子がカッターを持ち出すなど、かなり痛い話。
こうした子は日本に多く存在しているはず。

「十九の頃」椰月美智子

主人公の女性が19歳のことを回想する。
大学生で塾の先生をしていた。

バイト先で出会った加藤さんと付き合う。
この話は結末が読めた。

「17レボリューション」森絵都

17歳の誕生日を迎えた千春が主人公。
度重なる失恋で、自分革命と称し付き合う人を変えようと決心する。

今まで仲のよかったイズモと絶交する。
長寿まんじゅうとかツボ押し名人など、若くない点は作者の狙いか。
「うん、ともに胸の垂れるまで」というのは笑えた。

慣れないことはすべきではない、というのがこの話の教訓なのだろう。
森も10代を描くことが多い作家。

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この手のアンソロジーは、初めて読む作家が楽しみ。
だが今回は、もっと読みたいと思う初の作家が少なかったのが残念。
作家の力量はもちろん、編集者の手腕も問われる。

 読書のページ(書評)

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角田光代・森絵都他『きみが見つける物語 ティーンエイジ・レボリューション』  

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