上手く現代を切り取っている。
![]() 【送料無料】幸せになる百通りの方法 [ 荻原浩 ] |
「原発がともす灯の下で」
絹子は息子夫婦や孫たちと住む。
過去の記憶と原発事故後の世界が混ざる。
便利とは何か。
原発事故後はもう一度考えてみる必要がある。
「俺だよ、俺。」
大学進学をあきらめた男が主人公。
売れない役者の彼は、振り込め詐欺グループに加わる。
大阪でこの手の詐欺が成功しにくいのは当然。
やはり大阪のおばちゃんは一筋縄ではいかない。
「今日もみんなつながっている。」
自分の本を出したい老人に始まり、料理ブログを書く主婦。
ネットゲームに嵌る人たち。
現代はいろんな人が結構近いところでつながっているもの。
このエピソード、現代落語にしたら面白そう。
「出会いのジャングル」
34歳で独身の女性が、動物園で出会いのつどいに参加する。
男の作家が描く、女性像としてはよくできている?
動物行動学はともかく、過去の男たちと比較する女性は多いはず。
DV男も嫌だけど、マクロス男には思い切り引いた(笑)。
この結末は読めなかった。
素直に「やられた!」と感心。
「ベンチマン」
40半ばにしてリストラされた男を描く。
会社を追い出されたことを、妻に話せない男。
公園のベンチで時間を過ごす。
その公園には、リストラされた「ベンチマンの先輩」がいた。
今度、パン屋で不慣れな中年男を見かけたら。
このエピソードを思い出すかもしれない。
「歴史がいっぱい」
付き合っている彼女は俗に言う歴女。
会社でもプライベートでも戦国武将に振り回される男。
これもありそうな話。
料理が不得意な彼女に手料理を招待されたら、男は覚悟しよう。
「幸せになる百通りの方法」
いるいる、こういうマニュアル本が好きな人。
この世は結局、本のままではなく運命が決まっている?
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どのエピソードも実際にありそう。
物足りなさは残るものの、よくまとまった短編集だ。
読書のページ(書評)
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幸せになる百通りの方法 荻原浩著。
「幸せになる百通りの方法」サラッと癒し系ですね。
『幸せになる百通りの方法』
萩原浩『幸せになる百通りの方法』
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