再会したのもまた同じ場所だった。
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辻仁成の作品は、「海峡の光」以来2冊目。
期待が大きかったためなのか、それほどの感動はなかった。
主人公は航空会社広報課に勤務する豊。
結婚が決まっているスポーツマンで「好青年」と呼ばれている。
だが勤務先のバンコクで沓子と出会う。
最高級ホテルとして知られるオリエンタルのスイートに住んでいた彼女。
濃密に愛し合う二人だが、豊の結婚式の日が近づく。
沓子は帰国し、結婚式は予定通り行われた。
読んでいた思い出したのは「椿姫」(アレクサンドル・デュマ・フィス)。
後半の手紙の部分など、重なる部分がある。
バンコクが舞台の小説といえば、「愉楽の園」(宮本輝)を思い出す。
私もバンコクや世界遺産のアユタヤなどは何度か旅したことがある。
懐かしいんだけど、辻はどこにカタルシスを持ってきたいのか。
それが理解できなかった。正直、再読する価値を感じない作品だ。
まず、登場人物が恵まれすぎて共感できない。
航空会社社員と、離婚した時に多額の手切れ金を手にした女。
しかも二人は別れを選択した。
無理やり引き裂かれたわけではない。
かつての恋人がガンで亡くなれば悲しい?
ページを捲ればすぐ25年の歳月が流れる。
その中でどう感動できるのか。
25年の間に何があったか。
数ページでもエピソードを挟むべきではなかったか。
私は恋愛小説をあまり読まない。
その私が見ても、この作品は私には合わない。
辻仁成の作品では、「冷静と情熱のあいだ」をまだ読んでいない。
読むべきかどうか迷う。
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この作品、映画化されている。主演は中山美穂で、辻仁成の妻。
どう考えても切符を買ってまで観たいとは思わない。
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