2012年11月28日

「海峡の光」辻仁成

第116回芥川賞を、いかにも狙って受賞した作品。
人の奥底にある闇を描いている。
   
【送料無料】海峡の光 [ 辻仁成 ]

【送料無料】海峡の光 [ 辻仁成 ]
価格:420円(税込、送料別)


主人公は刑務官の斉藤。
国鉄職員として、青函連絡船に乗務していた。

だが青函トンネル開通で連絡船の廃止が決まる。
転職すべく斉藤は多くの試験を受け、法務省だけ受かった。

函館の少年刑務所が、斉藤の新たな職場。
そこに傷害事件の受刑者として来たのがかつての同級生、花井。

斉藤は、花井に陰惨ないじめを受けた経験を忘れない。
花井はまじめな態度の陰で、かつてのようないじめを行う。

***** ***** *****

芥川賞作品らしく、整った文章が続く。
だが、「船を運転」(35ページ)など抜けた部分もある。
(どうして「操船」とか言葉を選ばなかったのか、謎だ)

文学の大きなテーマ。
その中には「人とは何か」「生きるとはどんなことか」というのがある。

この作品は、その意味でかなり文学している。
選考委員が選ぶのもよく理解できる内容。

かつてのマネージャーによる、連絡船からの飛び降り自殺。
漁に出た父親が事故で亡くなり、花井に「密漁」と侮辱されたこと。

そして、連絡船の最終便が出る。斉藤もかつての制服を着て船に。
静は函館に戻れないよう、この船に乗る。

多くの人を見ているはずの刑務官が、花井の態度に騙される。
人の内面にある狂気というものは、見抜くのがとても難しい。

加えて、斉藤の内面にあるイジメでのトラウマ。
こうした内容を描けるのは流石。

とても暗くて湿った内容が最後まで続く。
だが、人を描くにはこのタイミングと暗さが必要。

 読書のページ(書評)

***********************
関連記事

「海峡の光」〜辻仁成著、新潮社〜

海峡の光  辻仁成  

海峡の光  辻仁成

「海峡の光」 辻仁成 著

「海峡の光」辻仁成著

辻仁成『海峡の光』

***********************

*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。 
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。


posted by りゅうちゃんミストラル at 07:15| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

辻仁成『海峡の光』
Excerpt: 海峡の光 (新潮文庫)辻 仁成新潮社このアイテムの詳細を見る 今回は、辻仁成『海峡の光』を紹介します。ストーリーは以下の通りだ。青函連絡船の客室係をやめ、函館で刑務所看守をやっている主人公の前に、因..
Weblog: itchy1976の日記
Tracked: 2012-12-01 15:22