角田による短編集。
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「箱おばさん」
駅にある菓子店でおばさんから箱を預かった主人公。
結局箱は何だったのか。「やばい人」という表現が面白い。
「イギー・ポップを聴いていますか」
何かと物を拾ってくる主人公。
拾ってきた紙袋には、ビデオテープが入っていた。
もしかして、角田自身が拾ったテープを再生したことがあるのだろうか。
「白っていうより銀」
駅で赤ん坊を預けられた女性は、離婚届けを出したばかり。
母親は戻ってこない。こまりまちたね。
女性は考える。
もし、自分たち夫婦に子どもがいたら・・・
不思議なもので、子どもが欲しいと願う夫婦にはできない。
でも、欲しくない夫婦には子どもができる。
後者の子どもは人工中絶でこの世に生まれないかもしれない。
生まれても虐待されるかもしれない。どこか不公平だ。
「フシギちゃん」
彼の携帯を勝手に見る女。職場の先輩、長谷川さんから誘われる。
携帯のない時代のことを話す先輩。
角田の作品には、女性がストーカーになるという場面がよく出てくる。
歯止めがきかない女性は怖い。
「母の遺言」
母の死後、四十九日に集まり遺言を読む兄妹たち。
映画「市民ケーン」を思い出した。
人が最期に話すことって、結構こんな感じなのかもしれない。
向田邦子なら、このテーマをどう作品として残しただろう。
そんなことを考えてしまう。
「カリソメ」
無断で夫の同窓会に行く離婚間近で別居中の妻。
友人たちから夫が大学時代「仮面浪人」だったと言われる。
「本当の自分はこんなものじゃない!」と思っている人は多い。
でも、現実はシビアなもの。
「犬」
引越し先にいた犬。
妻は犬に拘り、奪う作戦を立てる。
これもまた、「のめり込む女」を描いている。
引いている男が不憫。
「福袋」
兄と結婚するという女性とともに大阪を訪問した主人公。
福袋には、パンドラの箱のように希望が入っていた?
***** ***** *****
異質な物(人)が日常に入り込むと、ドラマが起きる。
角田らしい視点は読者を飽きさせない。
彼女の作品では「ロック母」をまだ読めていない。
前に読んでおくべきだったか。
読書のページ(書評)
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