第142回(平成21年下期) 直木賞受賞作を再読。
![]() 【送料無料】ほかならぬ人へ [ 白石一文 ] |
主人公の明生は27歳。
研究者をしている二人の兄とは違い、勉強ができなかった。
家は財閥でかなりの金持ち。
生まれた家を間違えたかと、ずっとコンプレックスを抱えていた。
サッカー部にいた関係で、スポーツ用品メーカーに勤務。
上司は仕事のできる女性課長の東海。ブスを自認している。
明生は池袋のキャバクラにいた美人と結婚する。
だが彼女には、忘れられない男がいた。妻は、その男の元へ。
東海に言ったこのセリフが印象的。
「僕はいつも思ってます。人間はたとえ人のために死んでも、自分のために死んではいけないって。」
(本文から引用)
自分のパートナーは誰がいいのか。
分かっているつもりの人は多い。
だがそんな人に限って、身近にいる人が見えなかったりする。
渚のように、望みのない恋を追いかける人も多い。
読みやすく、主張もはっきりした作品。人の持つ黒い部分が少ない。
この作家、私は初めてだが他の作品もそうなのだろうか。
***** ***** *****
「かけがえのない人へ」
こちらは30歳間近の女性、みはるが主人公。
エリートとの結婚が決まっているものの、40歳の課長と肉体関係にある。
SMの部分はかなり引いた。女性が読んだらどうなんだろう。
危なっかしい男を女性は求めるものなんだろうか。
彼女の勤務先は電池が売り物だが、業績不振が続く。
経営陣は合併で危機を乗り切ろうとする。
作品で描かれた後がどうなったのかが気になる。
結婚するのに、みはるはまだ黒木を追う?
読書のページ(書評)
***********************
関連記事
『ほかならぬ人へ』 白石一文 (祥伝社)
ほかならぬ人へ 白石一文 祥伝社
【ほかならぬ人へ】 白石一文 著
「ほかならぬ人へ」白石一文
ほかならぬ人へ 白石一文
白石一文『ほかならぬ人へ』を読む
「ほかならぬ人へ」(白石一文)
***********************
*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。
【関連する記事】