2012年11月06日

「ほかならぬ人へ」白石一文

まっすぐな青い主張が印象的な作品。
第142回(平成21年下期) 直木賞受賞作を再読。
   
【送料無料】ほかならぬ人へ [ 白石一文 ]

【送料無料】ほかならぬ人へ [ 白石一文 ]
価格:1,680円(税込、送料別)


主人公の明生は27歳。
研究者をしている二人の兄とは違い、勉強ができなかった。

家は財閥でかなりの金持ち。
生まれた家を間違えたかと、ずっとコンプレックスを抱えていた。

サッカー部にいた関係で、スポーツ用品メーカーに勤務。
上司は仕事のできる女性課長の東海。ブスを自認している。

明生は池袋のキャバクラにいた美人と結婚する。
だが彼女には、忘れられない男がいた。妻は、その男の元へ。

東海に言ったこのセリフが印象的。

「僕はいつも思ってます。人間はたとえ人のために死んでも、自分のために死んではいけないって。」
(本文から引用)

自分のパートナーは誰がいいのか。
分かっているつもりの人は多い。

だがそんな人に限って、身近にいる人が見えなかったりする。
渚のように、望みのない恋を追いかける人も多い。

読みやすく、主張もはっきりした作品。人の持つ黒い部分が少ない。
この作家、私は初めてだが他の作品もそうなのだろうか。

***** ***** *****

「かけがえのない人へ」

こちらは30歳間近の女性、みはるが主人公。
エリートとの結婚が決まっているものの、40歳の課長と肉体関係にある。

SMの部分はかなり引いた。女性が読んだらどうなんだろう。
危なっかしい男を女性は求めるものなんだろうか。

彼女の勤務先は電池が売り物だが、業績不振が続く。
経営陣は合併で危機を乗り切ろうとする。

作品で描かれた後がどうなったのかが気になる。
結婚するのに、みはるはまだ黒木を追う?

   読書のページ(書評)

***********************
関連記事

『ほかならぬ人へ』 白石一文 (祥伝社)

ほかならぬ人へ 白石一文 祥伝社  

【ほかならぬ人へ】 白石一文 著

「ほかならぬ人へ」白石一文

ほかならぬ人へ 白石一文

白石一文『ほかならぬ人へ』を読む  

「ほかならぬ人へ」(白石一文)

***********************

*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。 
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。



posted by りゅうちゃんミストラル at 07:48| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

「ほかならぬ人へ」白石一文
Excerpt: JUGEMテーマ:読書 愛するべき真の相手は、どこにいるのだろう? 「恋愛の本質」を克明に描きさらなる高みへ昇華した文芸作品。第二十二回山本周五郎賞受賞第一作! 祥伝社創立40周年記念出版。 ..
Weblog: ナナメモ
Tracked: 2012-11-12 10:05
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。