第135回芥川賞受賞作を再読した。
【送料無料】八月の路上に捨てる [ 伊藤たかみ ] |
登場人物は主に二人。
水城は男勝りで、この日を最後にトラックを降りる。
助手の敦は脚本家の卵で離婚が決まっている。
この二人が炎天下に大久保のコースを回る。
敦の妻が、歯ブラシでキレるのがとても痛い。
一度狂った歯車は、どうしても戻らないものなのか。
妻と一緒に思い出の場所を巡るのはいいアイデア。
やり直せる可能性が残っているのなら、試してみる価値はある。
仲がよさそうなカップルでも実は離婚寸前。
この作品と同じように思い出巡りしていることがあるのかも。
私は登場人物に感情移入できなかった。この作品のどこにカタルシスがあるのか。
ただ単に「結婚していなくてよかった」と感じる。
村上春樹の作品は、「喪失と再生」だと言われる。
この作品の場合は、果たして再生が可能なのか。
私はかなり悲観的に見ている。
特に妻は更なる落ち込みがあるかもしれない。
石原閣下ではないが、芥川賞も「これだ!」という作品がない。
まさしくどんぐりの背比べ。
そのうち、「芥川賞読んでいる人」とシーラカンス扱いされるかも。
読書のページ(書評)
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