久しぶりに再読した。
【送料無料】沖で待つ [ 絲山秋子 ] |
「勤労感謝の日」
葬式で上司が傍若無人な行いをしたことに怒り、暴れた主人公の女性。
会社に行くと机の上が片付けられていた。
そのまま退職したため、職安に通うようになった36歳。
近所のおばさんがきっかけでお見合いをすることに。
だが、トンデモな相手を見てお見合いの席を抜け出す。
後輩を呼んで飲みにいく彼女。
「ち〇この長さと直径」とか、生理の生々しいな表現など、かなりのすごさ。
(原文は伏字なし。ブログだとフィルターに引っかかるため伏字にした)
正直に生きる彼女の生き方は、まさにあっぱれ。
楽しく読ませてもらった。
***** ***** *****
「沖で待つ」
福岡に配属された主人公の女性。
先に死んだらパソコンのHDDを壊す約束を同僚から持ちかけられる。
持ちかけたのは同期入社の太っちゃん。
多くの人に愛されるキャラクター。仕事のできる先輩と結婚する。
彼は言う。自分が死んだらパソコンの中を嫁さんは見てしまう。
それを防いでほしい。
彼は本気。
星型のドライバーと指紋を残さないための手袋が送られてくる。
「男女に恋愛抜きの友情はあるか」という疑問は以前からある。
あるとすればこの作品の世界。まさに「同士」。
「椿山課長の七日間」」(浅田次郎)でも、男女の同士が出てきた。
だが向こうは恋愛を抜きにはできなかった。
住宅設備機器メーカーに勤務経験のある著者だからこその視点。
「です・ます」の表現がとても素直で新鮮。
気になる人は、同じような約束をするといい。
まさに現代的な作品だ。でも幽霊で出てこないでくれ。
文学は「人とは何か」を大きなテーマにしている。
ならば、この作品は見事にそのテーマを表現している。
芥川賞受賞作品は、ブログ記事にするとアクセス数が格段に落ちる。
本が売れない時代、とりわけ純文学が瀕死の状態なのがよくわかる。
それでも私は芥川賞受賞作について書く。
整った日本語である以上に、作品として優れている部分があるからだ。
もうひとつ、芥川賞受賞作は多くの人が読む。
すると、書評を書いている人がどんな考えなのかよくわかる。
読書のページ(書評)
***********************
関連記事
「沖で待つ」絲山秋子
「沖で待つ」絲山秋子
「沖で待つ」絲山秋子
「沖で待つ」絲山秋子、「蹴りたい背中」綿矢りさ 芥川賞作品 感想
「沖で待つ」(絲山秋子)
沖で待つ 〔絲山 秋子〕
沖で待つ 絲山秋子
沖で待つ 絲山秋子
絲山秋子『沖で待つ』
***********************
*****トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。
【関連する記事】

