2012年11月03日

「沖で待つ」絲山秋子

芥川賞受賞作とは思えない読みやすさ。
久しぶりに再読した。
   
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「勤労感謝の日」

葬式で上司が傍若無人な行いをしたことに怒り、暴れた主人公の女性。
会社に行くと机の上が片付けられていた。

そのまま退職したため、職安に通うようになった36歳。
近所のおばさんがきっかけでお見合いをすることに。

だが、トンデモな相手を見てお見合いの席を抜け出す。
後輩を呼んで飲みにいく彼女。

「ち〇この長さと直径」とか、生理の生々しいな表現など、かなりのすごさ。
(原文は伏字なし。ブログだとフィルターに引っかかるため伏字にした)

正直に生きる彼女の生き方は、まさにあっぱれ。
楽しく読ませてもらった。

***** ***** *****

「沖で待つ」

福岡に配属された主人公の女性。
先に死んだらパソコンのHDDを壊す約束を同僚から持ちかけられる。

持ちかけたのは同期入社の太っちゃん。
多くの人に愛されるキャラクター。仕事のできる先輩と結婚する。

彼は言う。自分が死んだらパソコンの中を嫁さんは見てしまう。
それを防いでほしい。

彼は本気。
星型のドライバーと指紋を残さないための手袋が送られてくる。

「男女に恋愛抜きの友情はあるか」という疑問は以前からある。
あるとすればこの作品の世界。まさに「同士」。

椿山課長の七日間」」(浅田次郎)でも、男女の同士が出てきた。
だが向こうは恋愛を抜きにはできなかった。

住宅設備機器メーカーに勤務経験のある著者だからこその視点。
「です・ます」の表現がとても素直で新鮮。

気になる人は、同じような約束をするといい。
まさに現代的な作品だ。でも幽霊で出てこないでくれ。

文学は「人とは何か」を大きなテーマにしている。
ならば、この作品は見事にそのテーマを表現している。

芥川賞受賞作品は、ブログ記事にするとアクセス数が格段に落ちる。
本が売れない時代、とりわけ純文学が瀕死の状態なのがよくわかる。

それでも私は芥川賞受賞作について書く。
整った日本語である以上に、作品として優れている部分があるからだ。

もうひとつ、芥川賞受賞作は多くの人が読む。
すると、書評を書いている人がどんな考えなのかよくわかる。

   読書のページ(書評)

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「沖で待つ」(絲山秋子)

沖で待つ 〔絲山 秋子〕

沖で待つ 絲山秋子

沖で待つ 絲山秋子

絲山秋子『沖で待つ』

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