第104回芥川賞受賞作。
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今まで読んだ、「猫を抱いて象と泳ぐ」や「ミーナの行進」とはかなり違う。
ブラックな小川の一面が見える。
だが、小川作品に共通しているのは描写。
読んでいて、砂に水がしみこむように頭の中で場面を想像できる。
これは、他の作家と比較すれば違いがよくわかる。
「妊娠カレンダー」
大学生の主人公が見た、姉の妊娠。
さすがに芥川賞作品。整った文章が光る。
アルバイト先でもらったグレープフルーツを使い、ジャムを作る主人公。
つわりで苦しんだ姉は、そのジャムばかり食べる。
姉のわがままぶりと、日常にある復讐を描いている。
主人公は生まれた子を見る度に、ジャムを思い出すのだろう。
「ドミトリィ」
主人公の女性、久しぶりにいとこから連絡がある。
女性が以前にいた学生寮に入りたいとのこと。
失踪した数学科の学生は、「博士の愛した数式」を思い出す。
ミステリーではないので、事件の謎は明かされないまま。
学生寮が舞台の作品といえば、「蛍」(村上春樹)を思い出す。
「ノルウェイの森」の元になった短編だ。
そういえば、両手と片足がない先生がどうやって家事をするか。
「ダンス・ダンス・ダンス」(村上春樹)でも、片腕の男が作るサンドイッチが出てきた。
「ネバーランド」(恩田陸)も同じく学生寮が舞台。
だがこの作品で学生たちのことはメインではない。
何故、いとこに会えないのか。
その答は読者自身が勝手に想像するしかない。
「夕暮れの給食室と雨のプール」
司法試験浪人の彼と結婚予定の女性が主人公。
新居で宗教勧誘員の親子に出会う。
この作品については、私の中で消化できていない。
時間を置いて再読したい。
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同じ作家の作品を複数読む場合。
後で初期の作品を読むのは、作家の原料をたどるようで面白い。
芥川賞選考委員のコメントは、以下のページで読める。
小川洋子-芥川賞受賞作家
今後、小川作品を読むとしたら、「人質の朗読会」になるだろうか。
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図書館での予約待ちが多数いるので、読むのがいつになるかわからない。
読書のページ(書評)
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↑小川の描写について私と同じことを書いている。
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