賛否が大きく分かれる。この記事ネタばれあり。
【送料無料】向日葵の咲かない夏 [ 道尾秀介 ] |
私は読んだ本をすべて記事にしているわけではない。
この作品は05年に出ている。読んだのもかなり前のこと。
動物虐待に小児性愛、そしていじめ。正直、読んでいて気持ち悪くなった。
記事にするかどうか、長い間迷っていたのはそのためだ。
夏休み前の終業式、学校を休んだ子の家にプリントを届ける主人公ミチオ。
しかしその子は首吊り自殺していた。
この出だしは「ぼくと、ぼくらの夏」(樋口有介)を思い出させる。
しかしそこからは大きく違った。
ミチオが人を呼びに行き、現場に戻ってくると死体はなくなっていた。
そして死んだS君は蜘蛛になっていた。
その蜘蛛は殺されたと話す。犯人は先生だということも。
妹の存在と、主人公に対する母親の冷たさ。
火事と影がひとつなこと。いくつかの伏線。
それらは私にも理解できた。
語り部の主人公がどんな人物なのかによって、読み手は解釈に係数が必要。
3歳の妹が、あんな思考するわけない。トカゲだから構わないのか。
最初は普通なんだが、最後まで読むと仮想の世界に。
しかも悪意ばかりの救いがない結末に。
さすがにここまではついていけなかった。
「葉桜の季節に君を想うということ」(歌野晶午)を高く評価する人なら。
この作品も評価するんだろう。
私はどちらも好きになれない。評価できない。
村上春樹がエルサレム賞受賞式のスピーチで語ったことを思い出す。
作家がフィクションを何故書くか。
それは、フィクションを書くことで真実の尻尾を捕まえるためだとしている。
(興味のある人は検索してみて)
この作品で、道尾はどんな真実の尻尾を捕まえたのか。
その点について触れているブログ記事はどのくらいあるのか。
道尾の作品は直木賞の「月と蟹」も読んだ。
【送料無料】月と蟹 [ 道尾秀介 ] |
これも何がいいんだか分からなかった。
結論として、私はこの作家と合わない。
今後、自分から道尾の作品を読むことはない。
少なくとも長いインターバルの後になるはず。
読書のページ(書評)
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↑この作品に関する詳しい考察。参考になった。
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