2012年10月05日

「夜を着る」井上荒野

直木賞作家の短編集。
非凡な作家により、新鮮な刺激を受けた。
   
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恥ずかしながら、先日までこの作家はノーマークだった。
コイノカオリ」で初めて読み、興味を持った。

「アナーキー」

2回目の堕胎で心が揺れ動くカップル。
ドライブの果てにやってきた町で男はキレる。

この手の作品はため息が出る。
女性が傷つくだけだから、避妊はしっかりしよう。
しかも2回中絶とは。男の責任はとても大きい。

「映画的な子供」

遠くの私立高校に通う女の子が主人公。
ある日、登校途中にスカートの裾がほつれてしまい・・・

いつもの登校が、サボりにより非日常へと変わる。
サボって読む「人間失格」はつまらなそう。
女性らしい視点の作品。

「ヒッチハイク」

以前、ヒッチハイクで車に乗せた男を追って伊豆の宿まで行く。
同じくヒッチハイクで。ありえない設定だけど私は引き込まれた。

「夜を着る」

夫の不倫を探るべく、妻が不倫相手とスパイ旅行に出る。
東北の宿で見た夫の姿にドン引き・・・

他に、「三日前の死」「よそのひとの夏」「終電は一時七分」
そして「I島の思い出」を収録。

***** ***** *****

この短編集、全体を通したテーマは「旅」。
なるほど、最初「日常の中の非日常」かと思ったが確かに旅だ。

それにしても不倫が多い。
不倫でなくても痛い登場人物ばかり。

冒険は何も遠い国へ行くことじゃない。
いつも右へ曲がるのを左へ行くだけで未知の世界へ行ける。
それだけで立派に冒険。

この作家、強いて言えば向田邦子に似ているか。
たが向田なら、高校をサボった女の子の話は書かないだろう。

人を鋭く描いている。無駄な説明を省く。
それでも心情は表現されており、何より人をひきつける文章。

この短編集だけで直木賞の実力があるのはよくわかった。
今後も井上作品を読みたい。
  
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