2012年10月01日

「キングを探せ」法月綸太郎

4人による交換殺人を描いた倒叙形式の作品。
(この記事ネタばれあり)
   
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法月綸太郎の作品は初めて。
このシリーズ、どこから読んでも支障が無いということなので読んでみた。

事件を解決するのは法月警視とブレーンの綸太郎。
早い話が「日本版エラリークイーン」ということなのだろう。

交換殺人は二人で計画されたものがほとんど。
人が多くなれば、情報が漏れやすくなる。

それ以上に、殺したいと思っている人を探すのが難しい。
この作品のように、出会ってすぐの4人が殺したい人がいるというのはかなり稀。
もしかしたらこの舞台は地球以外の惑星なのかもしれない(笑)。

不思議なのは何故トランプを残すのかということ。
小説の成立を第一に考えたナイスアシストだ。

犯人がこんなにも協力的なら、検挙率もさぞかし上がるだろう。
そもそもトランプが廃棄されていたなら、物語は成立しない。
設定に最初から無理がある。

だが、犯人側にとっては「芋づる」の手がかりを残した。
連絡を絶っているのに、そんなリスクを負うのか?

連絡を絶っていなければ、偽札で事故死することはなかった。
陰謀の大部分は謎のまま。

苦言をもうひとつ。犯人たちが効果的に描かれていない。
小説である以上、人を描いてほしかった。

少なくとも私が読みたいのは犯罪を犯す人だ。
作者は謎解きばかりに拘って、人を描くということをおろそかにしていないだろうか。

例えば4人いれば、殺したいという気持ちに温度差がある。
殺人を決意するまで紆余曲折があったはずだ。それを描けば作品も深さが増すはず。

作者は間違いなく頭がいい。だからこそ犯人側の作戦変更を描ける。
後半部分の展開も鮮やか。「やられた!」と思う読者が多くいただろう。
だがその頭脳を保険金や数式に集中してしまっていないだろうか。

過去「このミス」で評価されたこの作家。
この先読むとしても私の優先順位は低い。

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posted by りゅうちゃんミストラル at 07:51| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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四重交換殺人の果ては・・・
Excerpt: 小説「キングを探せ」を読みました。 著者は 法月 綸太郎 4重交換殺人をテーマに前半は犯人側から描く倒叙モノ 後半は刑事 探偵側から描く本格ミステリで読ませていきます これは良く出来たミステリー..
Weblog: 笑う社会人の生活
Tracked: 2013-04-05 21:09