2012年09月26日

「センセイの鞄」川上弘美

37歳の女性と、高校の恩師との関係を淡々と描く。
芥川賞作家、川上弘美の出世作。
   
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私は芥川賞受賞作「蛇を踏む」を先に読んだ。
内容が非現実の世界なので、書評を書けないでいる。

多くの読者は、この作品を先に読んでいるはず。
そして、作品の違いに戸惑った人も多いだろう。

センセイは弱った乾電池のような存在。妻と死別している。
年齢差30歳以上。主人公のツキコは未婚。
だから男女の仲になっても、批判されることを気にしないでいい。

しかしセンセイはなかなか恋愛に踏み出さない。
高齢による性行為の不安も確かにある。

後半、その点を正直に吐露している。
同じ男として、この告白は懊悩の末だったろうと想像している。

だが理由はそれだけではない。
「教師と教え子」ということも大いに影響している。

そしてツキコは小島孝ではなくセンセイを選ぶ。
「ワタクシと、恋愛を前提としたおつきあいをして、いただけますでしょうか」
(本文から引用)
こんな文章初めて読んだ。

中年女性と高齢の男にも、恋愛はあるのか。
もちろんある。この作品がそれを証明している。

この作品が、多くの読者に受け入れられるのは何故か。
それは、すぐに答を求められる現代とは逆の内容だから。

「出会ってすぐ寝る」という時間の短さを競っているような現代。
「0か1か」というのはネットの中だけでいい。

0でもなければ1でもない。
そんな恋愛があったっていいじゃないか。

作者は違った時間の流れを示すことで、読者に違う時空を体験させる。
こんな作品がもっとあっていい。

この作品は2001年谷崎潤一郎賞受賞作。
だが賞に関係なく、この小説は多くの人に受け入れられただろう。

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『センセイの鞄』 川上弘美 著

『センセイの鞄』 川上弘美 (文春文庫)

「センセイの鞄」は川上弘美の最高傑作なのだ  

川上弘美『センセイの鞄』

『センセイの鞄』川上弘美

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posted by りゅうちゃんミストラル at 07:57| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBの承認をいただきありがとうございます!
生まれて初めてのTBでした。

偶然にも同じ時期に
同じ書籍を読まれていて嬉しかったです。

角田さん好きなので、
紹介されている作品を読んでみたいと思います。

その際はまたよろしくお願いします(^-^)
Posted by ねこ太郎 at 2012年10月04日 23:45
ねこ太郎さん、こんにちは。

初のTBに選ばれ、光栄です。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by りゅうちゃん(管理人) at 2012年10月05日 18:39
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幻想的な歳の差恋愛はいかがでしょう?『センセイの鞄』
Excerpt: 「センセイの鞄」川上弘美
Weblog: 残念ながら、書評には満たない読書感想文
Tracked: 2012-10-04 12:24

「センセイの鞄」5つ★ 川上弘美
Excerpt: 凄く良かったです。
Weblog: ポコアポコヤ
Tracked: 2012-10-07 10:05
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