2012年09月24日

「夜明けの縁をさ迷う人々」小川洋子

作者の実力がわかる短編集。
小川洋子の世界を、大いに堪能した。
   

小川洋子の作品は今まで、「ブラフマンの埋葬」、「ミーナの行進」。
そして「博士の愛した数式」、猫を抱いて象と泳ぐと読んだ。

この本は以下の短編が収録されている。

「曲芸と野球」

三塁側で練習している女性曲芸師が気になったことから、流し打ちがうまくなった少年。
ある日、曲芸師が転落事故を起こして・・・・

「教授宅の留守番」

大学で食堂に勤務しているD子。
火事で家を失ったD子は、海外出張中の教授の家に住むことになった。

そこに、教授の本がある賞を受けるとの知らせが。
家には祝いの品が大量に送られてくる。結末がかなり痛い。

「イービーのかなわぬ望み」

エレベーターの中で生まれたイービー。
皿洗いの婆さんの背中で育ち、婆さんの死後はエレベーターが生活の場に。

映画「海の上のピアニスト」を思い出した。
小川は自分にとって大切な場所を描きたかったのだろう。

「お探しの物件」

いかにも儲かっていなそうな不動産屋。そこで扱っているのは、住む人を選ぶ家。
とてもストライクゾーンが狭そうな商売。

「涙売り」

自分の涙が、楽器の音色を向上させる。
女性は肉体で音楽を奏でるグループに出会う。
これも結末がかなりブラック。

「パラソルチョコレート」
「銀山の狩猟小屋」
「ラ・ヴェール嬢」

時間がないので、この三つについては説明なし。

「再試合」

自分の通っている高校が、甲子園出場を決めた。
主人公の女子高校生は以前からレフトに注目していた。
そう言えば、北京五輪でもレフトの守備が明暗を分けた。

***** *****

この作家、私を飽きさせない。
読者を飽きさせないのも、作家にとって重要な魅力だ。

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Excerpt: 夜明けの縁をさ迷う人々 小川 洋子 風変わりな曲芸師と野球少年の友情、放浪の涙売りの恋、エレベーターで生まれたE.Bの生涯、老嬢が語る作家だった祖父の形見の話……どこか奇妙ですこし哀し..
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