正直、期待したほど面白くなかった。ネタばれあり。
【送料無料】椿山課長の七日間 [ 浅田次郎 ] |
接待の際に倒れ、そのまま亡くなったデパート勤務の椿山課長。
ヤクザの武田勇、お坊ちゃんの根岸雄太とともに異議を唱え現世へ舞い戻る。
存在できるのは3日間。武田は大学教授、雄太は少女の姿。
その間に身分を明かすことなく、やり残したことを解決する。
復讐や期限厳守も重要なルール。
いいアイデアなんだけど、まずコテコテのオヤジギャグが笑えない。
ロココ調の部分なんか思いっきり引いた。
無理に笑わそうとしなくても、読者は面白いと感じるだろうに。
浅田は重松清とともに、「外れの少ない作家」だと私は認識している。
シングルヒットでは満足できない。
浅田の実力が出たのは「献杯」の部分。
佐伯知子が椿(実は課長)に思い出を語る場面なのだが、落語を読んでいる気がした。
さすが浅田。知子は椿山の思い出を生涯胸に持ち続けるだろう。
こんな女性、世の中に多く存在しているはずだ。
気がつかないけど、近くに幸せはあるもの。
救いなのは、椿山の父と武田が地獄に行ったこと。
私を含め、多くの人には真似できない自己犠牲。
30年も経てば、地獄はきっとすばらしい楽園になっているはず。
私なら、父親が別の人だと葬式の後で知らされたら。
グレるだろうなあ。少なくとも母親を信じない。
この作品、映画化されているが私は観ていない。
小説に満足できなかった分、映像化されたほうが面白いと感じたかも。
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