図書館で予約待ちの状態から抜けるのに、かなり時間がかかった。
![]() 八日目の蝉 (中公文庫) (文庫) / 角田光代 |
不倫相手の家に入り、幼い娘を誘拐した女。
子を抱いて友人の家、名古屋の怪しい女の家、そして宗教団体に身を寄せる。
子どもがいるのに鍵をかけない家が首都圏にあるとは。
危機管理がなっていない。火をそのままにして子どもを残すのも危険。
安全だと思われていた団体での集団生活。
だが、外部の人間が来ることを知り、再び逃亡。
団体で知り合った女性がきっかけで小豆島に向かう。
まずこの件で思い出したのが、日野OL不倫放火殺人事件。
この小説とよく似ている。角田はこの事件を知っていたのではないか。
逃亡生活については「悪人」(吉田修一)を思い出した。
直木賞受賞作「対岸の彼女」も過去の逃亡が背景にあった。
後半、家族の元へ戻ってからは「氷点」(三浦綾子)を連想した。
自分に責任のないことで人生に大きな影響が出るのはまさしく「原罪」。
私は「二人の逃亡を願う」という意見には賛成できない。
もし逃亡生活が続けば、薫は小学校に行くことさえ困難。
どんな理由があろうとも、子どもを誘拐することはしてはならない。
この作品で、不倫については男がかなり悪い。
それを認めた上で書くが、不倫してるなら避妊しよう。
不倫するなら避妊する男を選ぼう。男は自分から避妊しよう。
子どもにまで不幸が及ぶのは避けなければ。
いいかげんな男に惹かれる女は結構いるんだなあ。
この作品、ドラマと映画になっている。私はどちらも見ていない。
小説とは違っているとの評判なので、見たい反面見たくない。
この作品、誰の視点かによっていろいろと考え方が違ってくる。
何年後かにもう一度読み返してみたい。
追記
「バラ寿司食べたか」と語るタクシー運転手。
誰にも同じことを言っているんだろうなあ。
新谷かおるの「エリア88」を思い出した。
シュタインベルガーのエピソードだ(分からない人は無視して)。
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「森に眠る魚」も、実在の事件をモデルにして書かれていたから、本作のヒントもそうだったのかもしれませんね…。
大人ならば、子どもの幸せを一番に考えて欲しいですよね…。
トラバ返しさせてくださいね。
コメントありがとうございます。
「森に眠る魚」は、近く読むことになるかと思います。
負の遺産は継承したくないものです。