2012年08月30日

「夏への扉」ハインライン

舞台は1970年。主人公のダンは裏切りから仕事を失い、婚約者も去っていった。
希望を失ったダンは、30年のコールドスリープに入る。
   

文句なしの名作SF。
幼年期の終わり」(クラーク)や「火星年代記」(ブラッドベリ)。
そして「星を継ぐもの」(ホーガン)と比較しても劣らない。

どれだけの映画や小説が、この作品をモデルにしただろう。
あの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にも影響を及ぼしている。

日本でも、バチスタシリーズで知られる海堂尊の「モルフェウスの領域」。
これもコールドスリープをテーマにしている。

スタートレックでも、タイムトラベルでの逆転をテーマにしたエピソードがあった。
「夏への扉」は、いわばSFのプロトタイプ。

この作品は、1956年に出た。
ハインラインにとって2000年はかなり先の話。
彼の年代が、未来をどう予測していたがわかるのも興味深い。

ダンは技術とアイデアは確かなのだが、経営者としては失格。
もっと人を疑うようでなくては会社経営はできない。

だが逆に、彼女に捨てられたのは幸運だった。
そのまま結婚していたら近い将来、かなりの悲運が待っていただろうから。
人間、何が幸運で何が不幸なのかは時間が経過してみないとわからないものだ。

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実は、実家で以前飼っていた猫の名前はピート。
もちろんこの作品から命名した。

オスの黒トラなので、見た目は表紙そのまま。
しかし、中身はまったく違った。

明らかに飼い主の甘やかしが原因で、かなりの臆病でケンカも弱い。
人に頼らないと生きていけない弱虫猫だった。

なぜか、浴室に入りたがった。寒い日には重ねた蓋の上で寝ていた。
浴槽に水を入れているのを飽きもせず見ていて、滑って落ちたこともある。
ガスの元栓を開けて戻ったら、ピートが泳いでいた。

私が高校生の時、ピートは死んだ。
夜中に枕元で血を吐いて苦しがるピート。

土砂降りの中、夜中に彼をバスケットに入れて走った。
獣医に診せようとバスケットを開けた時、すでに死んでいた。

ピートは虹の橋で待ってくれているのだろうか。
夏ももうすぐ終わり。でもピートは夏を探し続けている。

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「夏への扉」ロバート・A・ハインライン/福島正実訳  

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『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン 早川書房

夏への扉 新訳版

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posted by りゅうちゃんミストラル at 07:43| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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