元は「宇治拾遺物語」の「絵仏師良秀」。
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地獄絵を殿様から依頼された絵師の良秀。
「見たものしか描けない」ということで牛車に火をつけることを殿に依頼。
その車には、良秀の娘が乗っていた。
屏風は完成したものの、良秀は自殺する。
「芸術のためには娘の命も差し出す」という点。
私を含め、多くの人にはこの考えを賛同できるわけがない。
しかし、こうした犠牲は洋の東西を問わず存在している。
私は韓国の国宝、エミレの鐘を思い出した。
鐘の鋳造を成功させるため、溶解した銅の中に娘を投げ入れる。
出来上がった鐘の音は、エミレ(おかあさん)と聞こえるという。
はっきりと書く。芸術家として良秀は二流。
優れた芸術家であれば、見なくても描ける。
この作品、古いので著作権切れになっているのかネットで公開されている。
芥川龍之介 地獄変
朗読もある。
この物語の語り部は、名乗らないものの殿の側近と思われる人物。
殿を敬うのは当然だが、彼の語る内容が事実かどうか。大いに疑ってかかるべき。
こうした話は疑えば何でも疑える。
だが、「すべて真実」と鵜呑みにするのはバカげている。
それは「聖書に書いてあることはすべて本当」と言うキリスト教原理主義者みたいだ。
この物語、いろんな立場から考えてみるととても興味深い。
現代に通じる教訓も豊富。だからこそ今でも読む人がいる。
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