私には物足りなさが残る作品だった。
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物語の始まりは、昭和37年。
不幸があって家族に恵まれなかったヤスと美佐子に待望の子どもが生まれた。
アキラと命名。だがヤスの職場に家族3人で来た時、悲劇は起きる。
崩れる荷物から、アキラを助けようとして美佐子が下敷きに。
残されたヤスとアキラの生活が始まった。
「夕なぎ」の女将、たえ子。海雲と照雲の親子など、キャラはいい。
アキラの結婚に関して、照雲の芝居はすぐに意図が読めた。
なので、多くの人が感動するであろう場面で私は引いた。この点が残念。
せっかくヤスというキャラクターを作ったのだから。
「無法松の一生」みたいなドラマを私は期待した。
私は読む順番を間違ったのかもしれない。
「ステップ」の前にこの作品を読んでいたなら。
「とんび」に物足りなさを感じ、「ステップ」で納得していたかもしれない。
本作品のヤスと比較して、「ステップ」の健一はスマートなサラリーマン。
しかし私の評価では、「ステップ」が星5つなら「とんび」は星3つ。
重松も述べているように、小説に正解はない。だが私には物足りない。
昭和についての表現も物足りない。
「フォレスト・ガンプ」や「三丁目の夕日」のようなノスタルジーが足りなかった。
重松に対する期待が高すぎるのかもしれない。だが、重松はすでに国民的な作家。
ホームランバッターが打席に立った場合、シングルヒットでは満足できない。
この状況で重松作品を読み続けるのは面白くない。
そこで、しばらく「重松断ち」をしてみようと思う。
冷却期間を経て、再び重松作品を読めば。
私も冷静に作品を素直に評価できるだろう。
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