2012年08月19日

「ステップ」重松清

重松に、またしてもやられた。読み終わるまで何度も泣いた。
父娘を描いた「ステップ」は優れた連作短編集だ。
 
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娘が1歳半の時に、母親である朋子が病気で亡くなった。
30歳の父親、健一と娘との生活が始まる。

「欠損家族」で知られるのは宮部みゆき。
誰かが欠けた状態というのは作家にとって表現しやすいのだろう。

人は、失ったことを、何かで埋めようとする。
だが家族はパーツではない。
母親の不在をパズルのパーツみたいに探すわけにもいかない。

「キュウリの馬に乗って」に出てくるお盆の馬と牛。
この話は「くちぶえ番長」でも出てきた。

家族との死別が描かれるのは、重松ワールドの常道。
彼はがん死と家族についてとても拘っている。
「その日のまえに」はもちろん、「カシオペアの丘で」もそうだった。

最初のエピソードで出てくるケロ先生。
その後幸せになっただろうか。

戦場カメラマンの礼香は、生傷が絶えない状態で生き残っているのか。
そんなことを読んだ後に考えてしまう。

美紀の成長を描いているためか、全体を通した話に立体感がある。
そのため、ケロ先生の存在がずっと昔のように感じる。

重松は技巧という点では決して上手い作家ではない。
素朴に余韻が残る点を彼が計算しているのだとすれば恐ろしい作家だ。

少なくとも重松は、読者が泣くツボをよく知っている。
だからこそまた彼の作品を手にしてしまう。

私はツボを突かれまくり。
「ひでぶっ!」と叫んで爆死してしまいそうだ(笑)。

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ラベル:ステップ 重松清
posted by りゅうちゃんミストラル at 07:43| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
トラバありがとうございました♪

重松好きですが、本作は特に好きな作品の一つです。
私も、何枚ものティッシュを涙で濡らしてしまいました(T_T)
ほんと、重松さん上手すぎです。

こちらにも、トラバのお返しさせて下さいませm(- -)m
Posted by 金平糖 at 2012年08月22日 10:47
金平糖さん、こんにちは。

正直、この作品がこれほど泣けるとは思っていませんでした。
ネットでの高い評価を読まなければ。
本を手にすること自体なかったかもしれません。

家族を描かせたら、重松はすごい能力を発揮します。
脱帽です。
Posted by りゅうちゃん(管理人) at 2012年08月22日 19:52
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