ホーガンにとってもデビュー作。この記事はネタばれあり。
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近未来の2027年、月で発見された人間の遺体。
宇宙服で守られていたその遺体は、5万年前のものと推定された。
この遺体はどの星からやって来たのか?
多くの学者による調査が始まり、議論が沸騰する。
主人公は物理学者の英国人、ハント。
彼は月が他の惑星の軌道上からやって来たと考える。
どうして本書が本格SFの傑作なのか。
それは、「まじめにサイエンス」しているから。
ホーガンは、この作品を書くために多くの書物を読まなければならなかった。
生物起源論とはじめ、天体など多くの分野にまたがる知識が必要。
SFは、財宝や誘拐された姫がいなくても立派に物語が成立する。
それを本書は証明した。
本書を読んで、私は連続SFテレビドラマの「スペース1999」を思い出した。
1999年、月にあった核廃棄物が大爆発を起こす。
このショックで、月が地球の衛星軌道から外れる。
「星を継ぐもの」とは逆のパターンだ。
ジョルダーノ・ブルーノの名前が月面の地名として出てきたことも興味深い。
リンクを読んでもらえばわかるが、ブルーノは16世紀に今のイタリアで生まれた。
地動説を信じる哲学者であり、自説を曲げなかったために火炙りとなった。
当時のカトリック教会から見て、彼の存在は「反キリスト教的な」異端者でしかなかった。
この作品、シリーズになっている。
だが私は続編を読むことを躊躇する。
それは、生涯読む本に限りがあるから。
こうしたシリーズは読み始めると時間がいくらあっても足りなくなる。
それが怖い。
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