受賞作の「苦役列車」は興味深い小説だ。
新潮文庫 に−23−4苦役列車/西村賢太 |
だいぶ前に書いたが、素晴らしい文章は、必ずしも教養を必要としない。
野口英世に宛てた母シカの手紙と、円谷幸吉の遺書がそれを証明している。
だが、西村賢太は学歴がないだけで教養はある。
それは本書を読めば理解できる。
逆に、学校で学んだ教養以外の部分が彼の持ち味になっている。
主人公、貫太のモデルは西村自身。平和島などで日雇いの肉体労働をする。
父親が性犯罪で逮捕され、家庭は壊れる。
高校進学もしない(できない)で日給5500円という肉体労働の道へ。
孤独な毎日だが、仕事の現場で日下部と出会う。
同い年ということもあって、意気投合するのだが・・・
西村賢太は、作家として優れているのかいないのか。
それは、今後の作品による。
芥川賞は「消える」ことも多い。
ただ単に変わった作品を書く異色の作家で終わるのか。
彼には、そうであってほしくない。
この作品、映画化された。
主演は何と森山末來。共演者も前田敦子。
配役を見ると、観たいような観たくないような。
※最初、タイトルが間違っていました。
お詫びいたします。ごめんなさい。
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