「アンの青春」モンゴメリ(松本侑子訳)
有名な「赤毛のアン」の続編。
クイーン学院を卒業したアンが教師となって学校へ戻ってくる。
ギルバートなどの前で、生徒に鞭を使わないと宣言したアン。
しかし「ヨナの日」でその誓いは破られる。
アンの苦悩がよく伝わってくる部分だ。
韓国のフィギュアスケート選手、キムヨナの名と関係がある?
天国が屋根裏にあるという話。
そしてその天国でジャムが作られるという勘違いは笑った。
イタズラはデイビーの専売特許ではない。
アヒル小屋の屋根に落ちてしまい、抜けなくなったエピソードはアンならでは。
翻訳の松本侑子はその昔、「ニュースステーション」で天気を担当していた女性。
聖書やシェイクスピアなど引用を丹念に調べていて興味深い。
このシリーズをこれから読む方は、このシリーズで読み始めるといいだろう。
PEI(プリンスエドワード島)などアンの世界がよく伝わってくる。
今までアンのシリーズでの翻訳といえば村岡花子だった。
「ライ麦畑でつかまえて」の野崎孝訳に対する村上春樹訳みたい。
選択肢があるというのはいいことだ。
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「朝霧」北村薫
「六の宮の姫君」の続編。
謎を解く話なんだけど、誰かが死ぬわけじゃない。
「北村薫は女性ではないか?」という疑問が出たのもよくわかる。
私は日本人でありながら、日本の文化をよく知らないことを恥じるばかり。
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「蒲公英草紙 常野物語」恩田陸
常野物語の第二弾。
東北(宮城県南部)が舞台。
峰子は大きな屋敷に住む病弱な聡子の話し相手となる。
その地に春田一家がやって来て・・・
右よりの人たちは、こうした話でも「自虐史観」と言うのだろうか。
このシリーズ、「エンドゲーム」に続く。
裏返し合戦の決着がつく第3弾は今読んでいる。
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「エンドゲーム」恩田陸
オセロのような裏返し合戦をしている一家。
その決着がどうなるのか。
恩田は不完全な作家だ。
その不完全な作家が書いた不完全な作品。
書評をネットで検索しても、高い評価が少ない。
せっかくいいテーマなのにもったいない。
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「日本人とユダヤ人」イザヤ・ベンダサン
日本人は、自由と水と安全が無料だと思っている。
多くの人にこの本が読まれるのは必然だ。
イザヤ・ベンダサンという著者は存在しない。
この本を書いたのは、山本七平という日本人。
彼の宗教知識には驚く。
だがその反面、反論したくなる部分も多い。
日本人論として有名なのは本書の他に「菊と刀」がある。
ルース・ベネディクトは「恥の文化」を来日経験なくして知っている。
日本人が、ユダヤ人の名で出した本書。
そして来日経験なく日本人を語った「菊と刀」。
日本人論は変わった表現方法がとられるものだ。
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「妻と私」江藤淳
妻がガンで余命宣告される。
告知しないという選択をした江藤。
100ページ足らずの短い作品。
だがその内容は濃い。
その江藤は99年に自殺した。
「漱石とその時代」は未完のままだった。
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「機関車先生」伊集院静
瀬戸内海に浮かぶ島に赴任した教師、吉岡誠吾。
彼は幼い頃の病気により話すことができなかった。
生徒はたった7人。
彼らから「機関車先生」と呼ばれる誠吾。
文庫本で読んだが、解説がハードボイルド作家の大沢在昌。
場違いかと思いきや、大沢がケストナーを語るとは思わなかった。
大沢が語るように、児童文学は希望だけを描くのは間違っている。
小学生にも大人と同じ、又は大人より厳しい世界がある。
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「とり残されて」宮部みゆき
しばらくぶりに再読した。
初期の宮部作品は、筆に勢いがある。
最後に収録されている「たった一人」は続編を読んでみたい。
ありえない世界を描かせたら、宮部はとても興味深い作家だ。
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