いろいろなことを考えさせられた。
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カミュの作品は、「異邦人」に続き二作目。
彼の小説は少なく、代表的なものはこの2作品と言っていい。
もちろん戯曲やエッセイなどで彼の思想をあれこれ考える手がかりはある。
だが「カミュの小説をもっと読みたい」という願望は残念ながら叶えられない。
ペストの流行で閉ざされた北アフリカに位置するアルジェリアの町。
その中にあって人々はどう戦ったのか。
その感想は、私が書かなくても検索すれば多く見つかるはず。
私は違った目でこの作品について語りたい。
私が注目したのは、ペストとキリスト教の関係。
神父の説教に興味を持った。
宮崎嶺雄氏の解説を読むと、カミュ自身がこの作品を「反キリスト教的」と認めているという。
なぜなら、善を推し進めるべきという2回目の説教。
この考えと医師リウーの考えが一致した点が重要。
つまり、キリスト教の存在がなくても、結論は一緒。
ということはキリスト教の存在が否定されたと宮崎氏は述べている。
だが私がもっと注目したのは最初の説教。
神父はペストが神から来たと述べていいる。
つまり、ペストは神による警告の意味があるということ。
もし神父の考えが正しいのなら。
防疫という医学の基礎研究は、神学を真髄とすべき。
だが実際はどうか。
人々が謙虚さを忘れなくてもペストは蔓延した。
ならば、神父の説教はどれだけの意味があるのだろうか。
こうした意見は現在でも見受けられる。
石原都知事が「津波は天罰」と語ったことを、私は忘れない。
石原"不謹"慎太郎の「津波は天罰」という妄言を批判する
石原閣下はこの発言を撤回し謝罪している。
だが、今後も似たような発言が起きないように活用することは必要なことだと私は考える。
1960年に死去したカミュ。
まさか21世紀に日本で彼の作品がこのように語られるとは思ってもいなかったに違いない。
カミュが言いたかったことは不条理に対する人々の反抗。
そう考えるなら、不条理の理由を神が下した人々への懲戒と考えるのは短絡的思考。
石原閣下は芥川賞の選考委員を辞任した。
古典的作品である「ペスト」を使って批判されるとは皮肉なことだ。
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関連記事
「ペスト」(1947)アルベール・カミュ
↑この作品についての長いブログ記事。参考にさせていただいた。
「一体誰がこの記録を書いているのか?」という疑問。
筆者がリウーであると明かす意味などについて深い考察。
こうした文章を手軽に読めるとは、ネットとブログの存在は大きい。
災害論序説
↑「ペスト」と石原慎太郎の「天罰」発言の関連について触れている。
驚天動地の震災
↑同じく「ペスト」と石原慎太郎の「天罰」発言についての記事。
▼『ペスト』アルベール・カミュ
東日本大震災とカミュの「ペスト」
カミュ『ペスト』
カミュ「ペスト」のパヌルー神父
カミュの「ペスト」を読む
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