「贖罪」はそんな小説。(一部ネタばれあり)
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湊かなえといえば「告白」で知られる。
「贖罪」も似た作品。
舞台は空気のきれいさが売りの田舎町。
小学校のプール更衣室で起きた、女児殺害事件。
被害者と一緒にバレーボールしていた4人。
容疑者の顔を見ていたはずなのに、顔が思い出せない。
被害者の母親から「人殺し」と呼ばれ、罪の意識を持つ4人。
その後、この事件が遠景となった悲劇が次々起きる。
「告白」でも女児が死んだのはプール。
この「贖罪」でも同じようにプールで人が2人死ぬ。
作者はプールでの死に何か拘りがあるのだろうか?
PTA臨時総会での真紀の話す内容。
「こんな説明じみた台詞があるわけない」と思いながら読んだ。
だが、彼女の訴えはその場にいた麻子にだけ届けばいいもの。
気がついた時には「上手くできている」と感心した。
最初に大まかなプロットを作成し、どこで何を読者に伝えるか。
それを作者はよく計算している。
「告白」でも使った「人によって視点が違う」という点。
麻子の身勝手さに怒りを感じた人が多かったに違いない。
だが、それでもこの作品は未完成という感想が残る。
明らかにおかしな表現があるし、作品そのものに救いがない。
指輪の発見などご都合主義も見られる。
「少女」でもそうだったが、ドロドロの作品が続く湊かなえ。
彼女はこの路線を貫くのだろうか?
それともどこかで別の路線へと転換するのか。
余計なお世話ながら気になった。
湊かなえの作品を次に読むとしたら、「夜行観覧車」になるだろうか。
「Nのために」という選択肢もある。
「贖罪」の満足度からいえば、どちらもすぐに読もうとは思わない。
追記
この作品、ドラマ化されることが決まった。
2012年1月、WOWOWで放送される予定。
どんなキャストになるのだろうか。
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