男子高校の寮で冬を過ごす4人が描かれている。
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高校の寮が舞台となれば、普通は登場人物が多すぎて描き切れない。
そこで恩田は、学生たちが帰省する冬に時間枠を設定。
これで3人が寮に残るという「非日常」が出来上がった。
だがそこにもう一人、瀬戸 統が加わる。
それぞれの学生は、年末年始をなぜ寮にいるのか。
それは、読んでいるうちに明らかになってくる。
母親を感電事故で失った統。
子どもの頃に起きた誘拐事件の記憶が残る美国。
両親の離婚が確実な寛司。
そして光浩はトラウマとなった暗い過去が明らかになる。
本来、こうした学生だけでの集団生活はありえない。
なぜなら調理の際火事になったら責任問題となるから。
さらに厳しいことを言えば、恩田に男4人の世界を描くのは無理。
性のことなど踏み込んでいるようでいて、きれいに描きすぎ。
寛司の両親が来たり、統の父親が航空券を持ってくるのもご都合主義。
だが、それを差し引いてもこの作品は多くの人から支持されている。
恩田は「六番目の小夜子」、「夜のピクニック」でもそうだったが、学園ドラマが好き。
好きというか、拘っている。
過ぎ去った日は戻ってこない。
そんな簡単なことが年齢とともに、より明確になる。
次に恩田の作品を読むとしたら。
「ユージニア」か「ねじの回転」になるだろう。
読みたい本をすべて読むには、あと3000年くらい必要になる。
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