(この記事、ネタばれあり)
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日本橋署に転属となった加賀。
中年女性が犠牲となった殺人事件を、所轄として担当。
冴えた推理で地味ながらも事件を解決に導く。
特に、下町独特の雰囲気の中で情報を得る加賀の目線はさすが。
「事実はひとつではない」という点。
証言に隠された真実が次々と明らかになっていく。
洋菓子店で被害者が「勘違い」する所など、実に上手くできている。
私は前から、警察や裁判が事実を追求するだけなことに疑問を感じてきた。
本作品の加賀は、その疑問に対して答を出している。
「赤い指」ではクールさが目立った加賀。
彼の知られざる一面を見た気がする。
加賀にとっても、東野にとっても下町というのはフロンティアかもしれない。
湯川には似合いそうもない、理解のできそうもない部分だからだ。
注文があるとすれば。
上杉の過去について伏線が張られているともっとよかった。
終わりのほうだけで説明されると、どうしてもとってつけたようになる。
加賀の左遷についても、説明だけで終わらせるべきだったのか疑問。
これらの注文は書下ろしではなく連載だからこそのもの。
だが、その点を差し引いてもこれは秀作。
「卒業」から見れば、東野の成長がよくわかる作品だ。
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