【送料無料】神様のカルテ |
この作品を読んでいて、気になることがあった。
それは作品の舞台が信州であること。
作者の夏川草介が、信州大学出身であること。
そして作品の冒頭、心筋梗塞を疑われる患者が搬送されること。
サッカー元日本代表の松田選手は、信州大付属病院に緊急搬送された。
病名は心筋梗塞。この件は以下の記事に書いた。
生きろ、松田直樹!
私はこれを偶然とは思えない。
松田は4日になって死亡した。
主人公は栗原一止(いちと)という内科医。
「365日、24時間受付」という信州の病院で勤務している。
勤務はとてもハード。
研修医とともに多くの患者相手に奮闘する毎日。
病院には「大狸」「古狐」という先輩医師がいる。
まるで漱石の「坊っちゃん」みたい。これは作者の狙いだろう。
後半部分、一止は末期ガン患者に対してどう対応するか悩む。
輸血をし、肋骨を折ってまで生かす方法もある。
患者の全身にチューブを張り巡らす「スパゲッティー状態」にして延命するか。
それとも一止のように「しない対応」で患者を看取るか。
医師が患者の死に慣れるのは困る。
だが逆に、患者の死をトラウマとして医師が壊れるのも困る。
これは医師だけでなく、社会全体の問題だ。
学士殿の実情については、私は最初から疑っていた。
博士課程に在籍しているのなら、「学士殿」ではなく「修士殿」になるはずでは?
今は勉強したければ、勉学の場がたくさんある。
通信制の大学で学士になれるし、社会人でもマスター(修士)に挑戦できる。
学士殿には勉学を続けてほしい。
作者は「読書後の爽やかさ」を出したかったのだろう。
それは多くの読者に受け入れられた。
「きれいに描きすぎ」の感はあるが、読んで損はない。
私も事故や病気の際は、この病院で診てもらいたい。
***********************
関連記事
夏川草介『神様のカルテ』
「神様のカルテ」/夏川草介
「神様のカルテ」夏川草介
いいお話です。
【神様のカルテ】 夏川草介 著
『神様のカルテ』夏川草介
神様のカルテ 夏川草介
神様のカルテ(夏川草介)
***********************
***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
スパム防止のため承認制です。その場合リンクは必要とはしません。
一部、こちらからはトラックバックを送れないブログがあります。
コメントについても承認制です。コメントする人は、まず挨拶しましょう。
【関連する記事】


たしかに きれいすぎる感もありますが
悪い気はしないのでね
万人受けするいい話でした
こちらこそ、コメントありがとうございます。
確かに「万人受けするいい話」だと、私も感じます。
多くの人に高く評価されているのがわかります。