「葉桜の日」は19歳のジョージが主人公。
レストランの経営者、志賀さんが親代わり。
自分が誰であるのか。今まで長い間それを問わないで生きてきた。
ジョージは作者である鷺沢そのもの。
父方の祖母が韓国人だったことから自分のルーツに興味を持った鷺沢。
韓国留学もしている。
「果実の舟を川に流して」は横浜の中華街にあるバーのスタッフが主人公。
母親の死によって有名大学での学生生活が終わった健次。
海外での放浪生活の末、ママに雇われた。
女装のママはサイのような姿をしている。
アメリカで何があったのか。
ベトナム戦争との関連についても詳しい説明はなし。
両作品とも、「くどくどと説明しない」ことに徹している。
簡単に言えば「荒い」。それは作者自身が理解した上で選択したこと。
鷺沢は04年4月に自殺した。
彼女が40過ぎても小説を出していたら。
どんな作品だっただろうか。
「ボロボロになっても表現し続ける」という鷺沢を見てみたかった。
「21や2でこの作品を描けるのはすごい」
と、多くの人は褒める。
私はその意見に心から賛同できない。
人は死ぬと伝説になる。
生きている人は伝説には勝てないと私は考えている。
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