大崎の作品を読むのは「将棋の子」、「聖の青春」以来。将棋以外のテーマは初めて。
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主人公の山崎隆二は41歳のアダルト雑誌編集長。
方向音痴で何にしろ選択が不得意。
大学時代の恋人、由希子から真夜中に電話がかかってくる。
二児の母となった由希子はプリクラを撮ろうと山崎を誘う。
大学時代と現在。
カットバックを駆使しながら物語は進む。
作品に出てくる北欧のグループとは、アバのこと。
以前、アメリカのパウエル国務長官(当時)はこう言った。
「スウェーデンで有名なものが三つある。アバ、ボルボ、そしてリンドだ」
ボルボは車。リンドは女性の外務大臣。
03年に買い物途中ナイフを持った男に襲われて死亡した。
男の大崎は、由希子の心情や行動を理解し表現できていたのか。
私には山崎の前から姿を消した行動については理解できる。
だが、夜中に電話をかけてプリクラに誘うのは「あり」なのか。
疑問が残った。彼女はどうしたかったのだろう。
離れていく旦那に寂しさを感じ、伊都子のこともあって電話をかけただけか。
それ以上のものを、山崎に求めていたのか。
可奈は結局どうしたんだろう。手紙を山崎に残し、姿を消す。
続編で明らかになったりするのだろうか。
次に大崎善生の作品を読むとしたら。
山崎が再登場する「アジアンタムブルー」になるのだろうか。
「パイロットフィッシュ」の中にもアジアンタムブルーが紹介されていた。
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