2011年07月10日

「ミーナの行進」小川洋子

「ミーナの行進」を3日かけて読んだ。
この作品は、じっくりと読みたい。
   
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舞台は1972年の神戸。
母子家庭の朋子は母親が東京で専門学校に通うため神戸の家に預けられる。

大きな屋敷に住む一家と1年間の共同生活。
そこにはポチ子というカバがいた。
従妹のミーナはポチ子に乗って小学校へ通っていた。

小学生で川端康成の「伊豆の踊り子」と「雪国」を読んでいる。
ミーナの読書量には驚く。

物語のどこかで体の弱いミーナは死んでしまうのではないか。
その予想は外れるのだが、ポチ子の死は悲しかった。

ポチ子の死を描いた場面で出た挿絵。
そこにはカラフルなカバとともに「Auf Wiedersehen!」とあった。
(ドイツ語で「さよなら」の意味)

ミュンヘン五輪での出来事大きく二つ。
ひとつはゲリラによるイスラエル選手殺害事件。
そしてバレーボールでの金メダル獲得。

男子バレーチームを取り上げた「ミュンヘンへの道」は私より上の年代の人が見ていた。
監督の松平康隆は選手全員に逆立ちで9メートル歩かせた。

この模様は後に「テレビ探偵団」で紹介された。
日本が誇る大砲の大古は逆立ちが苦手だった。努力してやっとこの課題を克服。

逆立ちとバレーボールの関係はないのかもしれない。
しかし松平は「やり遂げる」ことの重要性を訴えたかったのではないか。

ミーナが好きだった猫田。
彼は「世界一のセッター」と呼ばれた。

作品でも紹介されているが、彼は胃癌で亡くなった。
死が避けられない状態でベッドにいる猫田。
彼は意識が朦朧としている中、ブロックサインを出していたという。

VOL.3 猫田 勝敏

そしてミュンヘンオリンピック事件
パレスチナ武装組織「黒い九月」によってイスラエル選手団11人が殺された。

なぜイスラエルという国ができたのか。
どうしてパレスチナと憎しみ合うのか。

それはこの作品とも大いに関係がある。
ミーナの祖母は、姉がナチスに連れ去られ、戻ってこなかったことを話す。

日本から遠くで行われたミュンヘン五輪。
アスリートの祭典でも多くの血が流されたことを忘れてはならない。

実は今、「アンネの日記」を読んでいる。
時代は流れ、多くの人がユダヤ人とホロコースト。
そしてイスラエルと中東和平について関心を持たない。
人は忘れる。それは仕方ないことではあるが恐ろしいこともである。


車掌のサブロウが死んだエピソードについて。
私は三浦綾子の「塩狩峠」を思い出した。
「塩狩峠」を読んだことのある人なら、そう感じたのではないか。

フレッシーを一度飲んでみたい。
お米屋さんで売っていた「プラッシー」を思い出す。

この作品で欠かせないのが挿絵。
鮮やかな色彩と単純化された絵がすごく印象的。

寺田順三という方がどんな人だか、私は知らない。
だが小川−寺田コンビで再び作品を目にすることができるよう願っている。

小川洋子は恐ろしい作家だ。
村上春樹と同じく、読者に「小川ワールド」を提供できる。
これからも彼女の活躍に期待したい。

次に小川作品を読むとしたら、「妊娠カレンダー」だろうか。
先日、「短編もいい」というコメントをいただいた。
探してみる価値はありそうだ。

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↑私と同じく三浦綾子の「塩狩峠」と「プラッシー」について書いている。
マッチの写真がとてもいい。

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