2011年06月28日

「サクリファイス」近藤史恵

「サクリファイス」は日本ではマイナーな自転車のロードレースを描いた作品。
(この記事ネタばれあり)
   
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主人公は「チカ」こと白石誓。
高校時代は陸上選手として知られていた。

インターハイに3000mで優勝した彼が、テレビでロードレースを知る。
エースを勝たせるために、犠牲になる選手を見た彼。

大学で自転車競技に打ち込み、プロ選手として契約する。
そして2年目、彼に飛躍のチャンスがやってくる。

白石の所属するチームのエースは石尾。
30過ぎのベテランで寡黙だが、競技については厳しい。

我の強い伊庭は白石と同じ年に契約した2年目の選手。
スプリントに強く、ヒルクライム(坂道)を苦手としている。


私はかなり前からロードレースについては知っていた。
だから、この競技での説明は不要なくらい。

私の知っている名選手といえばベルナール・イノー
ツール・ド・フランス5勝、ジロ・デ・イタリア3勝と強かった。

逆に、ツール・ド・フランス個人総合5連覇のインデュライン
彼の全盛期にはすでに熱が冷めていた。

ツールで7連覇したアームストロングもテレビで少ししか見なかったくらいだ。
(彼が活躍した後半、ツールはやたらとドーピング疑惑で騒がれていた)


話を作品に戻す。

前半は競技の内容と、白石の足跡をたどる。
後半には、ミステリー小説の色が濃くなるという構成。

作品のタイトルは、エースを勝たせるための競技者。
誰もがそう考える。

だが結末はさらにもう一段階奥がある。
それがこの作品の深いところだ。
何しろエースが犠牲(サクリファイス)となるのだから。

ストーリーが出来過ぎなのは、白石の昔の彼女が記者として登場する点。
しかも、車椅子ラグビーの取材で白石のチームにいた袴田と出会う。

袴田は有望な選手だった。
だが3年前にレース中の事故で脊髄損傷の大ケガを負う。
チーム内には、その事故を石尾の意図的なものと考えている者さえいる。


この作品中によく出てくるのが、「〇〇、と。」という文末。
作者は意図的にこの文末をよく使っている。

これは作者の特徴なのだろうか。
それともこの作品に限ったものなのか。

この作品は08年本屋大賞2位。
大賞は伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」。

ページ数が少なく、登場人物が絞ってあることもあり読みやすい。
本屋大賞の上位に来るだけの中身はある。

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『サクリファイス』 近藤史恵・著|自転車レースが舞台の"青春スポーツミステリ"

サクリファイス / 近藤 史恵

↑続編である「エデン」との関連について述べた記事。
今度探して読んでみるかもしれない。

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