2011年06月19日

「カラフル」森絵都

森絵都の「カラフル」を読んだ。
(この記事、ネタばれあり)
   
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森絵都の作品は「つきのふね」に続いて2作目。
「カラフル」が多くの人に読まれる理由がよくわかった。

死んだはずのぼく。
生きている間、悪いことをしたために輪廻のサイクルから外される。

だが、抽選により再挑戦できることになった。
自殺した小林真という少年となって修行を積むことで、生まれ変われる。

再挑戦を拒否したかったが、担当の天使プラプラに拒否できないといわれる。
小林真として病院で蘇生するぼく。修行が始まった。

話はとても簡単。
難読の漢字はほとんど出てこない。
登場人物も限られており、すらすら読める。

だが話が簡単であっても、そのテーマは重い。
中学生でも読め、考えられる哲学的な内容を含んでいる。

ひろかの援助交際は読んでいて気分が悪くなる。
しかし、現代には物が溢れている。

自分の体を売って物欲を満足させる中学生がいるのは現実の問題。
世の中は「きれいごと」だけじゃない。

中学生男子の性を、女性の作者が表現したのも評価できる。
現実を描きつつ、作品としてまとめるのが作家としての森の力量。

想いを寄せる後輩の女の子が援助交際している。
その現場となったラブホテルでは、母親が不倫してもいる。

「もし自分だったら」ということを考えた時。
自殺するだろうか。生きているのが嫌になるかもしれない。

※※※※※※※以下、思い切りネタばれ※※※※※※※

結末については、結構早い段階から読めてしまった。
その理由はタイトルにもなっている色。

作品の中に、多くの色が出てくる。
プラプラは「瑠璃色の瞳」。亜麻色のスーツ。
父親と釣り(真はスケッチ)に出かけたのは緑青の色をした川。

このうち「瑠璃色の瞳」は、「ぼく」が真になる前のこと。
絵を描かない中学生が瑠璃色と表現するわけがない。

もうひとつは美術室で描く絵。
真でなければタッチが変わってしまうだろう。
つまり、「ぼく」は真でなければ話が合わない。

色と文字と言えば、思い出すのは共感覚
詩人のランボーは、「母音」という作品を残している。

母音の色(ランボーの詩に寄せて)

実際ランボーに共感覚があったかどうか、それは不明。
それでも小説に色をつけるという試みは面白い。


なお、この「カラフル」は映画化されている。
監督は「櫻の園」の中原俊。脚本は森田芳光だという。
私は観ていないが、どんな映画になったのだろう。

次に読むとしたら、直木賞受賞作「風に舞いあがるビニールシート」だろうか。
「永遠の出口」もまだ読んでいない。

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アマゾンで見ると、森絵都の評価はとても高い。
何冊か読んでみる価値はありそうだ。

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