2011年06月16日

「卒業」東野圭吾

初期の東野圭吾作品、「卒業」を読んだ。
大学生の加賀恭一郎が、連続した死亡事件を解決する。
(この記事、ネタばれあり)
   
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真相というものは、知らないほうがいいこともあるのか?
それともすべてを明らかにすべきなのか。

赤い指」、「悪意」、そして「新参者」。
多くの事件を解決した名刑事の加賀にも、こんな時代があった。

大学4年の加賀は、剣道で全国大会優勝を目指す社会学科の学生。
教員を目指している。

剣道のシーンは「ひかりの剣」(海堂尊)を思い出した。
もちろん作品としては「卒業」のほうがかなり前に発表された。


同じ高校からこの大学に来た7人組の一人、祥子がアパートで死んだ。
手首を切り、死因は出血多量。

自殺だと見られた彼女の死に、警察は疑問を投げかける。
現場に血を拭き取った跡が見られたからだ。

やがて、茶道の雪月花で第2の事件が起きる。
今度は青酸で波香が死ぬ。

仲がいいはずだったグループだった7人組。
しかし互いのことはよく知らない。

誰かが裏切り者なのか。
冷静な加賀ですら疑心暗鬼に陥る。

初期の作品らしく、表現に荒さが目立つ。
事件の真相も表現ではなく説明が多い。
トリックそのものもかなり無理がある。

それでもこの作品は長い期間に売れている。
理由にひとつに、「東野圭吾の成長」を見ることができる。

そう考えているのは私だけではあるまい。
読者は読むミステリー作品に完全を求める。

だが、どんな優れた作家であったとしてもすべての作品が「当たり」ではない。
それはあたかもイチローが10割バッターではないのと同じだ。

作家のルーツをたどり、成長の証を手に入れる。
それは読者にとってかなり興味深い。

形状記憶合金のくだりは、ガリレオこと湯川の登場を予感させる。
本作品は、そうした意味を持っている。

次に読む東野作品は「真夏の方程式」になるのか。
図書館で順番待ちの人数を考えると、恐怖ですらある。
その前に「流星の絆」「新参者」を読むべきだろう。

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