彼女が09年に出した作品が、この「少女」。
(この記事、ネタばれあり)
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高校2年生の桜井由紀と草野敦子が経験する夏の物語。
二人は転校生の紫織から、人の死に遭遇する経験を聞かされる。
死に興味を持った由紀と敦子は、別々に死を見ようと計画を立てる。
時間の経過とともに、二人の距離がだんだんと縮まってくる。
この作品を読んで思い出したのは「夏の庭」(湯本香樹美)。
性別、年代こそ違うものの「人の死を見たい」ということで共通している。
女性の作者から見た、女子高生のすれ違い。
この「すれ違い」が平行して互い違いに進行する。
小説としての組み立てはよく理解できる。
だが、終盤の構成はどう見てもやりすぎ。
ネットで書評を検索して読んでみると、同じ考えの人が多かった。
あまりに多くのことをつなげようとすると、読者は「ウソだー」と離れる。
早い話が欲張りすぎでくどい。
もうひとつ気になったのは、「痛み」がないこと。
本来、痛みを感じる場面で軽い表現が目立つ。
テーマが「死」であるのに、この作品での軽さは致命的だ。
この意味からも、私は本作品を高く評価できない。
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少女<湊かなえ>-本:2010-33-
↑私もセーラー服の表紙はどうかと思う。
タイトルも他に考えられなかったものか。
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↑私と同じく、この作品と「夏の庭」について書いている記事。
両作品を関連付けて書いた書評が少ないのは意外。
湯本香樹実と湊かなえの読者に接点がないため?
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