ノーベル賞賞受賞者で、ブッカー賞2回受賞作家の代表作。
大学教授の転落を描く。原題は「Disgrace」。
舞台は南アフリカ共和国。
主人公は教授デヴィッド・ラウリー52歳。
2回結婚し、二度とも離婚した彼は娼婦を買うことで性欲を満たしていた。
しかし、学生にまで手を出した彼は大学で訴えられ、結局辞職する。
田舎で娘ルーシーと生活するようになった彼。
しかし、そこに3人の男たちがやって来て・・・
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まず、三人称で描かれたこの作品。
どうしてラウリーの独白でなかったのか。
この点で読者の一部は先を読むことから脱落したかもしれない。
ラウリーは決定的なものが欠けている。自分勝手でしかない。
女子学生から訴えられても反省ということを知らない。
よく50過ぎまで問題を起こして大学を追い出されなかったものだ。
女子学生がその後、どうなったかを気にしないものだろうか。
私にはまったく理解ができない。死ぬ動物たちには同情するにもかかわらず。
この「理解できない」という点は、女性読者でも同じではないだろうか。
その後、田舎での事件が起き、彼は「正義」を口にする。
彼が何を言おうとも、まったく説得力を持たないと考えるのは、私の考えが狭いから?
正直、「勉強のできるバカ」というのは困った存在だ。
こう考えたのが私だけではないということを信じたい。
さらに理解できないのが、娘であるルーシーの選択。
彼女はどうして別の土地に移ろうとしないのか。
これも理解できない。
ルーシーに賛同する読者はどれくらいいるのか。
特に女性読者に訊いてみたい。
ノーベル賞作家ということだったが、作品自体はとても読みやすかった。
これは原文もそうなのか、それとも翻訳が素晴らしいからか。
彼の作品は、「マイケル・K」や「夷狄を待ちながら」がある。
機会があれば読んでみたい。
***********************関連記事『恥辱』J・M・クッツェー、鴻巣友季子訳(早川書房) 「恥辱」〜男性中心・白人社会の逆転する南アフリカの予感。J.M.クッツェー『恥辱』****************************トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
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posted by りゅうちゃんミストラル at 16:38| 東京 ☁|
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