石油採掘、そして自動車メーカーの提携話はどうなったのか。
イランの石油開発事業は、壱岐にとって最後の大仕事。
苦戦しつつも近畿商事とオリオンが落札。
キーマンは、国王専属のドクターだった。
インドネシアの架橋、黄の第二夫人、紅子から元王妃に。
そしてドクターというルートがつながる。
日本の公社グループは選ばれなかった。
石油公社総裁は更迭される。
だが、油井を4つ掘っても石油は出ない。
コストばかりが増え、近畿内部でも批判が高まる。
危機に陥った採掘。
壱岐は、イラン国王から日本政府に圧力をかける作戦に出る。
これが最後と5つ目の油井に賭ける。
兵頭が見つめる中、ついに石油は噴出す。
この知らせを聞いた壱岐は、里井副社長を社外に出すよう大門に進言する。
子会社の社長になった里井。
大門は棉相場で大損する。
担当部長は精神を病み、壱岐の忠告も聞かない。
辞表を持って、大門に退陣を求める壱岐。
大門は激怒するが、壱岐の思いが通じて相談役に退く。
多くの日本兵が眠るシベリアに向かう壱岐。
空港で鮫島と会うが、千代田自動車の提携が報道される。
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長かった。でも読んでよかった。
これは、そんな作品だ。
石油が出ること、壱岐が退社することは読めていた。
シベリア抑留の会を谷川に代わって行うのも予想通り。
だが、里井は狭心症で死ぬと思っていた。
本社に戻る道を大門に打診されながら辞退するとは意外。
山崎は大学卒業後、毎日新聞社に入る。
上司はあの井上靖。
山崎豊子という作家が亡くなっても、作品は生き続ける。
戦争を語り継ぐという意味でも、彼女の作品は必要だ。
この作品を書くのに、どれだけ取材が必要だったか。
それを考えると頭が下がる。
この作品の後、続けて「運命の人」を読もうかと思っていた。
しかし山崎の作品は読むのにエネルギーが必要。
どうするか考えねば。
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