彼の野望は、学術会議に立候補へと膨らむ。
報復人事で辞表を書いた里見。
大河内教授の口利きで、近畿癌センターに移る。
鵜飼医学部長は財前に、学術会議への立候補を薦めた。
内科学会での発言力を強めるために、財前を使った。
考えた末、財前は立候補すると決める。
裁判と平行して選挙対策にも医局は振り回されることに。
教授選挙同様、権力を使った票集めが行われる。
一方、控訴審で必要な証言者を集めるため、弁護士の関口は各地に飛ぶ。
北海道大の教授や、東京のK大助教授に証言を依頼。
主を失った佐々木商店は、経営危機に陥る。
東元教授の娘、佐枝子は退職した病棟婦長の亀山君子の存在を知る。
亀山は、回診の際断層撮影の必要性を申し出た柳原と財前の会話を聞いていた。
裁判で証言してもらおうと、何度も亀山のもとを尋ねる佐枝子。
彼女は里見の姿に感銘を受けていた。
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3巻に続き、ここでも医療裁判の難しさがよく表現されている。
医師に対して裁判を起こすのは、一般人にはかなり難しい。
山崎の取材には、本当に頭が下がる。
ここで注目されるのは、人間。
どんなに技術が進んでも、人が間違っていれば何にもならない。
山崎は、医療だけではなく人間ドラマを見事に作品として残した。
里見に対する佐枝子の想いが象徴している。
教授選挙から財前の渡欧、そして裁判。
さらには学術会議への立候補と、患者は置き去りにされている。
山崎の意図が、こうした姿勢への厳しい批判であることは確かだ。
控訴審はどうなるのか。
最終の5巻に続く。
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