大阪では、患者の佐々木庸平が亡くなった。
国際外科学会に出席した財前。
現地で手術を行い、高く評価される。
一方、浪速大学病院では佐々木氏が呼吸困難を起こしていた。
術後肺炎ではなく、癌性肋膜炎だった。
佐々木氏は苦しみ亡くなる。
財前は帰国と同時に佐々木の家族から訴えられたことを知る。
原告側の弁護士は、若手だが情熱のある関口。
財前は大物の河野を弁護人に立てる。
判決は原告側敗訴。
里見は山陰大学の教授を命じられる。
原告側の証人となり、財前に不利な証言をした報復人事だ。
里見は辞職願を書く。
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この4巻で注目の注目は、何といっても法廷での白熱したやり取り。
山崎が、いかに詳しく医療裁判について取材していたかがよくわかる。
里見の選択も見逃せない。
組織か、それとも医師としての良心か。
里美は後者を選んだ。
似たような場面で、どれだけの人が彼と同じ選択ができただろう。
財前はドイツで、ホロコーストの現場となったダッハウを見学する。
03年に放映されたドラマ(主演は唐沢寿明)では、アウシュビッツだった。
財前にとって、ここが医師として人としての分岐点だったか。
もし、この時点で素直に誤りを認めていたら。
失点にはなっただろうが医師として誠実さを見失わずに済んだ。
人は高い地位を手に入れると、余計素直になれないものだ。
このままで終われば、「この世には神も仏もいないのか」となる。
原告側控訴により、裁判闘争は高裁に舞台を移す。
というわけで4巻に続く。
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